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中国の大企業の多くはいまだに国有であり、そうでなくても、中国共産党の幹部が実質的なトップやナンバー2に座っているのが実態だ。本当に自由化を進めるのであれば、この中国共産党の独裁体制を崩壊させる必要がある。すべてを民営化して、市場原理に任せることになるため、当然といえば当然だ。
しかし、その方向に進むということは中国共産党の崩壊につながるという、ジレンマを抱えている。つまり、中国において、これ以上の自由化は事実上不可能ともいえるわけだ。
また、中国は人民元の国際化を進めているが、「国際化=自由化」ということも理解する必要がある。当たり前だが、国際化するということは、国際的なルールに従うということだ。中国の“マイルール”を国際金融市場に持ち込むことは許されない。
確かに、世界の国々は、これまで中国の自己中心的な振る舞いを、ある程度は許容してきた。しかし、それは中国が自由化や民主化を進めるという前提の下であり、あくまで段階措置として認めてきただけである。最終的に中国のルールを国際市場のルールにすることなど、許されるわけもない。
このような事情や背景を考慮すると、中国経済はあらゆる面で限界を迎えているといえるだろう。
(文=渡邉哲也/経済評論家)
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