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クルーズ船を拒否したのは、長崎だけではない。15年8月12日付琉球新報は、「那覇港でクルーズ船を受け入れる岸壁が足りず、ことし4月以降、寄港の予約を断ったケースが43件に上る」と報じている。長崎も沖縄も、大挙して押し寄せる中国人の「爆買いパワー」に悲鳴を上げているのだ。
バス不足も深刻化
国土交通省は12月8日、今年クルーズ船で訪日した外国人数が昨年の2.4倍に増え、累計で100万人を突破したと発表した。今年6月に策定した政府目標を5年前倒しで達成したことになる。中国人のクルーズ船ツアーの大流行が数字を押し上げた。
国交省は同日、福岡市の博多港で目標達成の記念式典を開いた。イタリアのクルーズ会社が運航する上海発のコスタセレーナが入港。乗客定員3780人の大型船で100万人目となった中国人の家族に記念品が贈呈された。
国交省によると昨年の外国籍クルーズ船の寄港回数は、博多港が首位の99回。長崎港(70回)、沖縄・石垣港(69回)、沖縄・那覇港(68回)、横浜港(48回)と続く。中国発着のクルーズ船が多いため九州・沖縄に集中している。
東京・大阪の大都市に偏りがちな訪日外国人旅行の恩恵を全国各地に波及させるうえで、クルーズ船の受け入れ先の整備が大きな課題となっている。すでに福岡や長崎では、外国人旅行客の団体ツアーと、修学旅行や国内観光ツアーとの観光バスの争奪戦が起きている。「爆買いツアー」の特需で県内の観光バスでは足りず、岡山や広島など中国地方の観光バス会社のバスの取り合いが過熱しているという。
(文=編集部)
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