連続テレビドラマ『日曜劇場 半沢直樹』(TBS系)の第1話が中国本土の一部映像配信サイトのドラマの一覧から削除されたと、香港の蘋果日報(Apple Daily)が22日報じた。
蘋果日報は記事『【日劇犯禁?】《半澤直樹2》現青天白日滿地紅旗 被內地影視網下架』で、中国の動画配信サイト「人人視頻」のドラマカテゴリーから同作品が外されたと報じている。
同記事は、19日放送の第1話で、堺雅人演じる半沢直樹の背後にあった世界各国の株価を表示する地図に、「青天白日満地紅旗」が描いてあったことが原因と推測。「人人視頻が同作品を外した理由は明らかにされていないが、放送を見た中国の本土のネットユーザーらが、この旗が画面に映り込んでいることに反発していた」などと報じた。なお、他のサイトでは22日時点でも視聴できるといい、中国本土のネットユーザーにも「株価の表示は客観的なものでしかない」などと否定的な見方も出ているという。
一方、Twitter上では、台湾在住のネットユーザーからは青天白日旗を映り込ませたことに対し、「TBS好波」などと評価する声もあった。
全国紙国際部記者は次のように話す。
「台湾の在香港出先機関の責任者が香港政府から滞在ビザの更新を認められず、16日に台湾に戻りました。香港国家安全維持法の施行以来、中国本土と台湾の関係は非常に緊張しています。同法においても、中国政府は『ひとつの中国』を全面に打ち出しており、中国本土での締め付けは相当強くなっていると見られます。おそらく中国メディアも、政府の顔色を相当気にしているのではないでしょうか。旗は、そもそも中華民国の国旗であり、台湾の独立を表しているともいえます。その結果、過剰に反応しているのかもしれません」
中国をめぐる国際社会の緊張は、人気ドラマの一瞬のシーンですら物議を醸すほどまでになっているようだ。
(文=編集部)