韓国が揺れている。
3月31日、前大統領の朴槿恵(パク・クネ)容疑者が逮捕され、韓国史上3人目の逮捕された元大統領となった。ソウル拘置所に移送された朴容疑者は、4月中旬までに起訴される見込みだ。
いわゆる「崔順実(チェ・スンシル)ゲート事件」に関連して、朴容疑者には13の容疑があり、友人の崔被告やサムスン電子副会長の李在鎔(イ・ジェヨン)被告なども逮捕されている。
また、朴容疑者は3月10日に罷免が決定しており、韓国は5月9日に大統領選挙が行われる。前大統領が罷免、逮捕され、約1カ月後には新たな指導者が生まれる韓国について、韓国人たちはどう思っているのだろうか。
首都圏の国立大学に留学している20歳の韓国人女性は、以下のように語る。
「正直、韓国国内にいたら(景気が悪くて)就職もできません。まともな若者は、国内事情なんかより、いかに外に出るかしか考えていないでしょう。韓国は男尊女卑で年長者のほうが偉いという社会だし、すぐに大声を出す人が多い。そんな国民が選ぶのだから、次の大統領も、誰がなっても同じですよ。
おそらく、ほとんどの若者は政治や選挙に興味がないと思います。デモをしているのは古い体質の一部の人たちで、今のシステムから抜け出る方法なんて考えていない。あの国を出て、本当によかった。もう、帰りたくないですね」
また、以下のように語るのは、3年前に来日した27歳の韓国人男性だ。
「僕は、大学に行っていないんです。その時点で、(学歴社会の)韓国ではもうどうにもならない。前回の大統領選で朴氏には投票しなかったけれど、韓国にも独身女性を大統領にする土壌ができた、もしかしたら僕のような高卒でも活躍できる社会になるかもしれない、と思いました。しかし、すぐにエリート主義は変わらないと感じました。
正直、今回の件も驚かなかったです。だって、韓国の大統領は必ず汚職をするし、悪いことをする。日本の若者の政治不信について、韓国国内では『だから三流国はダメなんだ』という感じで語られていたけれど、こうやって政治が普通の人の手の届かないところでドロドロに汚れていくのを見たら、どの国の人でも政治不信になりますよね」
自国民からも不満が噴出する韓国の成り行きは、今後ますます注目に値しそうだ。
(文=編集部)