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「元住吉駅の衝突事故は、雪でブレーキの利きが悪かったのに加え、車輪とブレーキをかけるブレーキシューの間に雪以外の何かがはさまったため、ブレーキの利きがさらに悪くなり、通常より強めにブレーキをかけても利かずに追突してしまったという事故です。この事故で、東急電鉄は1時間に3センチ以上とか、積雪の深さ11センチ以上の大雪の場合、スピードを時速40キロ以下まで落とすことにしました。スピードを落とせば、駅と駅の間を3分で結んでいたのが、5分とか6分とかになっていくので、電車がどんどん遅れていくわけです。
あと、駅と駅の間に列車を止めることは非常に危険なことなので、雪が降ったら列車の本数を少なくして運行しなさいというのが国交省の通達です。駅と駅の間に列車が止まって閉じ込められると、先日の新潟のケースでも乗客は一晩閉じ込められたし、首都圏でも1998年に東海道線で一晩閉じ込められたケースもありました。駅と駅の間に止まっている列車に追突してしまったり、踏切が開かなくなったりして、街中に混乱を引き起こす可能性があるので、列車の本数を減らしなさいということです」(同)
混乱中は移動しない
今回は多くの企業が退社時間を早めたが、そのせいで乗客がターミナル駅に殺到したため、駅構内への入場制限をせざるを得なくなった。
「駅の入場規制は、人が線路に転落するのを防ぐためです。これは安全上仕方ありません。今回は企業が一斉退社を促したが、時間が遅すぎた。もっと早く退社させるべきです。実は大雪も大地震などの自然災害と同じなのです。帰宅困難者が出る可能性があるからです。場合によっては、会社なり学校なりにしばらく留まったほうがいい。すでに混乱が始まっているのであれば、自分がそこに加わることで、さらに混乱を広めかねませんので」(同)
今は鉄道会社も情報を早く出す。入場規制や運行状況もネットで確認できる。その上で、今すぐ帰るべきか、天候の回復を待つべきか判断する。それが梅原氏のアドバイスだ。
「首都圏の場合、何日も雪が降り続くことはない。雪がやめば電車は動きだすので、どうしても早く帰らないといけない人は別ですが、遠距離の人などは天候の回復を待つことも重要です。また大雪が降るかもしれません。もし朝から降っていたら、通学、通勤は控えるべきです。今回のように途中から降った場合は、交通機関はどんどん乱れていくので、そうなる前に移動して、混乱中は移動しないことです」(同)
大雪の際には、外出は控えたほうがよさそうだ。
(文=兜森衛)
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