輸入品目の上位は豚肉、たばこ、トウモロコシ、牛肉
どんな農産物の輸入が多いのか。農水省データによると16年の上位10品目(金額ベース)は、以下の通り。
豚肉4528億円、たばこ4396億円、トウモロコシ3332億円、生鮮・乾燥果実3175億円、牛肉2888億円、アルコール飲料2666億円、鶏肉調整品2097億円、冷凍野菜1699億円、大豆1660億円、小麦1480億円となっている。
ちなみに、農産物1980年の上位は、トウモロコシ、大豆、小麦で、肉類は7位以下だった。食生活スタイルの変化や1985年のプラザ合意以降の円高進行、91年の牛肉輸入自由化の影響が表れていると考えられる。
水産物の上位は、えび1987億円、かつお・まぐろ類1891億円、さけ・ます1795億円の順。
日本のスーパーマーケットには、さまざまな国の食材が陳列されている。カナダ産の豚肉、米国産の牛肉、メキシコ産のアスパラガス、ニュージーランド産のパプリカ、ノルウェー産のさば、モーリタニア産のたこ、アルゼンチン産の赤エビ、ベルギー産のチョコレート、スコットランドのウイスキーなど。牛丼店やファミリーレストランだけでなく、家庭の食卓も今や輸入食品がズラリと並んでいるのが現状だ。
最近は輸入相手国が以前より多様化してきているが、それでも限定された国々の比率が高い。16年の主な輸入相手国をみると、農産物は、米国1兆3529億円、中国7071億円、豪州4059億円、タイ3945億円、カナダ3545億円の順。水産物は、中国2881億円、米国1362億円、チリ1206億円、ロシア1119億円、タイ1061億円となっている。
農産物は上位5カ国で55.2%、水産物は同47.6%と集中する傾向が強い。特に家畜の飼料となるトウモロコシ(米国73.8%)や、植物性油脂原料などに使われている大豆(米国68.9%)、鶏肉(ブラジル69.5%)、牛肉(豪州54.4%、米国38.0%)など、特定国への依存度が高いことが目に付く。