兵庫県の女性が外国人に監禁され、民泊施設でその女性とみられる頭部が見つかったほか、遺体をバラバラに分けて山中などに遺棄していたことが判明し、大きな話題になっている。この施設は旅館業法などの許可を受けていなかったとみられており、あらためて“ヤミ民泊”の問題が浮上している。
2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるが、客室不足の問題から規制緩和をして民泊を解禁しようとする動きがある。しかし、それでもヤミ民泊は減らないのではないかと懸念する声もある。
ヤミ民泊運営の実態
そもそも、ヤミ民泊はどのように運営されているのか。過去に都心でヤミ民泊を運営した経験のある男性に話を聞いた。
「民泊として利用していたのは、一般的な賃貸物件です。これを個人または法人で契約し、そこを宿泊施設として使います。海外の民泊サイトに登録し、そこからの紹介などで集客していました。海外では民泊が普通のことなので、利用者に違法という認識はありません。繁忙期はきちんと管理していないとダブルブッキングになるほど集客できました」(ヤミ民泊を運営していた男性)
男性たちはワンルームから2LDKの広さの部屋を用意し、そこをヤミ民泊として活用していた。価格は1部屋6000円からで、近隣のビジネスホテルの価格をチェックして、それよりも安く設定していたという。
「最近では、“事故物件”を民泊施設として利用するという話も聞きます。外国人には事件が起きたことはわからないし、告知義務もないからです。価格を抑えるにはちょうどいいみたいです」(同)
部屋の中には、ベッドや調理器具など、ウィークリーマンション並みの設備が揃う。利用者は外国人観光客で、平均すると3泊の滞在をしていたそうだ。
「トラブルというほどのことはなかったけれど、オートロックで部屋番号を間違えたり、別の部屋のドアを開けようとしてしまったりということはありました。ただ、この程度は日本人同士でもあることなので、大きな問題にはなりませんでした。近くにあった別のヤミ民泊は、分譲タイプを使っていたので住民からよく通報されていましたね」(同)