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隣の住戸が知らぬ間に民泊利用も…女性の頭部発見や事故物件利用の例も

文=鈴木詠/フリージャーナリスト

 外国人が出入りしても、スタッフが部屋まで連れて行き、鍵を渡すことでトラブル回避できたという。都心では隣に誰が住んでいるかもわからないことが多く、外国人もたくさん暮らしている。そのため、違和感を覚えることは少ないということか。

 外国人のマナーの悪さが話題になることもあるが、「特に問題はなかった」という。海外の民泊サイトでは、部屋を汚してはいけないなどの注意事項が書かれている。さらにトラブルを回避するために、メールのやりとりでルールを提示し、同意した人のみ泊まらせるという運営者もいるという。

 この男性は、ヤミとはいえ真面目に運営していたようだが、法改正で取り締まりが厳しくなることを予測し、2年前に民泊をやめた。

「たとえ通報されても、外国人の宿泊客しかいないし、ホテルというよりも普通の生活をするための部屋になっているので、『友だちを泊めているだけ』という言い訳ができます。それに当時は、注意を受けても業務停止命令まではいかず、ある意味ではやりたい放題でした」(同)

今も法改正の動きはあるが、「当時からいわれているけれど、具体的に決まらないから今回も同じなのではないか」(同)という。

外国人が少ないエリアでは目立つ

 東京のベッドタウンで民泊を行った男性にも話を聞いた。この男性は、「海外で知り合った外国人に空き部屋を提供したことをきっかけに民泊を始めたという。前述の男性と比べれば小規模だが、これもヤミ民泊といえる。

「紹介が中心とはいえ、文化が違う外国人を泊めると、ゴミの問題が発生します。多くの外国人は、ゴミを分別せずに捨ててしまうんです。そうなると、私のところにクレームが来ます。最初に説明をするのですが、長期滞在になるほど面倒になるのか、ゴミ出しのルールが守られないことがありました」(東京のベッドタウンでヤミ民泊を運営した男性)

 また、外国人がたむろしているとして、近隣住民から警戒されたこともあったという。郊外では、外国人があまり暮らしていないエリアもあるため、そのような場所では目立ってしまうようだ。

 ヤミ民泊の数を特定することは難しいが、一般人でもノウハウさえつかめれば運営することができることから、その数は意外と多いようだ。これがさらに増えれば、大阪での痛ましい事件が別の場所で再び起こる可能性はある。

 民泊自体は決して悪いシステムではなく、日本も取り入れていくべきかもしれない。ただ、パスポートの提示などもなく、誰でも泊まれることで今回のような事件が起きたともいえる。治安維持のためにも、早急な法整備が求められる。
(文=鈴木詠/フリージャーナリスト)

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