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花見で桜の枝を折って「花冠」、3年以下の懲役または30万円以下の罰金も

文=編集部
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花見で桜の枝を折って「花冠」、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もの画像1「Getty Images」より

 東京をはじめ日本各地で桜が満開となっている。桜が咲き誇る木の下には、多くの人が集まり花見を行う光景が連日見られるようになった。

 そんななか、桜の枝を折って「花冠」をつくり髪飾りにするといった不道徳な人たちがいるとの告発が、インターネット上で話題になっている。確かにインスタグラムなどで「花冠」として花で髪を飾る画像は多く見られるが、実際に“インスタ映え”を狙って桜の枝を折って花冠をつくっている人がいるかどうかは定かではない。

 桜は枝を折るとその部分から腐敗が進む。そのため、剪定する際は腐敗防止の処理をしなければならない。落ちている花びらを髪に着ける程度ならまだしも、枝を折って髪飾りにするなどあってはならない。

 ましてや、道路沿いや公園など公共の樹木の枝を折るという行為自体、違法ではないかという疑問が沸く。そこで、弁護士法人ALG&Associates執行役員の山岸純弁護士に話を聞いた。

「桜の枝を折ると、他人の物を壊したものとして『器物損壊罪』が成立します(刑法261条)。この場合、3年以下の懲役または30万円以下の罰金か科料が科せられます。ただし、器物損壊罪は、告訴がないと処罰できない『親告罪』なので、桜の木の所有者からの告訴が必要です。公共の桜は、公園であれば市区町村や都道府県といった地方自治体の所有でしょうから、これらの地方自治体が告訴をすると、器物損壊罪として処罰される可能性があります。

 皆が見ることで愛でている桜を、自分が満足するだけのために折ることは、犯罪の成立うんぬんの前に、人格として非難されるべきでしょう。たとえば『いちご狩り』は皆が『食べる』ことを楽しみますが、花見は『見る』ものです。水族館で、伊勢エビが展示されているのを見て、いきなりかぶりつかないのと同じだと思います」(山岸弁護士)

 大阪府東大阪市の加納北公園では、桜の木11本が幹や枝を切られる事件が起きた。市は近く府警に被害届を提出するというが、このような心無い犯行は厳しく取り締まる必要があるだろう。

 桜は楽しめる期間が短い。違法だからということではなく、その儚い命を愛でる日本人ならではの心の豊かさを大切にしたいものだ。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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