平昌オリンピックでカーリング女子日本代表(LS北見)が使って流行した言葉「そだねー」が、特許庁に商標登録出願されていたことが明らかになった。出願したのは北海道の菓子メーカー・六花亭製菓で、インターネット上で物議を醸している。
カーリングで日本初の銅メダルを獲得したLS北見。大会中は勝利するたびに注目度が増していき、3位決定戦の平均視聴率は25.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。そして、競技中に選手が話し合う際の「そだねー」という方言も注目を浴び、「とても和むやり取り、つい微笑んでしまう」「北海道なまりがほんわかします」「かわいくて軽い感じと五輪の緊張感とのギャップがすごい」と話題になった。
「そだねー」が日本ではやっていることを知ったLS北見のメンバーは、2月の帰国報告会などでも「そだねー」を披露。ネット上では、早くも「今年の流行語大賞の最有力候補」という推測も出ている。
そんななか、銅メダル獲得から5日後の3月1日に六花亭が「そだねー」を「菓子及びパン」の商品区分で商標登録出願していたことが明らかになった。六花亭の本社は帯広市でLS北見の地元である北見市内には店舗などがないため、同社には「関係ない会社なのにおかしい」といったクレームが届いているという。
ネット上でも、「企業イメージが悪くなった」「六花亭のスイーツは好きでしたが、今回の件で嫌いになりました」「あざといとしか言いようがない」と批判の声が続出している。しかし、六花亭は何も「商標を独占しよう」という意図で出願したわけではないようだ。
「テレ朝news」の23日付記事『「そだねー」を商標登録?北海道の六花亭が出願』によると、六花亭の佐藤哲也社長は「『六花亭』が中国で使えなくなってしまっていることなどがあり、『そだねー』が使えなくなることを懸念してのことだ」「ほかの人たちが使いたいとなれば、申請してもらえば止めるものではない」と話している。
これを受けて、ネット上では「中国や悪徳業者に取られるよりはまし」「なんでもかんでも営利目的で商標登録する輩が多いので、こういった企業にはがんばってもらいたい」と擁護の声が上がっている。しかし、依然として「いちいち六花亭におうかがいを立てなきゃいかんのか」「批判されたから言い逃れ?」など批判の声もやんでいない。
そもそも、まだ出願の段階であり、実際に登録されるかどうかは審査次第だ。今回の騒動は、それだけ「そだねー」が注目されていることを証明したといえるのかもしれない。
(文=編集部)