私は『誤解だらけの皇位継承の真実』(イースト新書)という本を4月に出しました。以前に扶桑社新書から出した古代から現代に至る皇位継承の歴史をまとめた本を改訂したものですが、平成になってからの問題は、まったく新しく書き加えました。
「月刊 新潮45」(新潮社)、「月刊hanada」(飛鳥新社)、インターネット・メディア「アゴラ」などに寄稿して、関係方面でかなりの論争を呼んできた「平成皇室論」を単行本化したものです。後述しますが、陛下をはじめとする皇族方もアンタッチャブルには扱わず、問題提起をさせていただいております。
今上天皇陛下が2019年4月30日に退位され、同年5月1日から新しい年号の時代がスタートします。同年秋には即位礼や大嘗祭も執り行われ、20年の東京五輪を前にして華やいだ雰囲気のなかで新しい時代がスタートするはずでした。
しかし、皇室は波瀾続きです。眞子さまの結婚をめぐる騒動は、現代におけるロイヤル・ウェディングの難しさを痛感させました。特に、ご両親も含めて皇室として婚約に同意を与えられている以上は、それなりに本人や周囲の状況について調査され、内親王の嫁ぎ先としてふさわしいかどうかチェックがされていると世間では思っていました。
だからこそ、週刊誌などが問題の所在を指摘し始めた頃は、「そうしたマイナス材料も検討したうえで結婚が許可されたはずだから、下々が余計な心配をしなくてよいのではないか」という見解が大勢でした。
しかし、週刊誌報道に関わっている人たちや、あるいは、ネットや月刊誌を舞台に、問題を解決しないまま結婚されるのは危ないという指摘をしてきた私たちは、現実の宮内庁などの状況から、しっかり調べ検討するという態勢にはなっていないことを知っていますから、皇族のみなさんに失礼にならない範囲ですが、慎重におそるおそるではありますが警鐘をならしていたのです。
そして、結果としては、とりあえず、今上陛下の退位と新陛下の即位のための一連の儀式が終わるまでは、正式の婚約や結婚を延期することになり、新聞やテレビに情報を頼っている一般国民はびっくり仰天するはめになりました。
この眞子さまの婚約騒動は、婚約者の小室圭さん側が、内親王を迎えて不都合のない環境を環境をつくるのは非常に難しそうだったにもかかわらず背伸びしたがゆえに起きた事件でした。