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五輪中の沈黙破り、神戸山口組五代目山健組若頭が銃撃される! 分裂問題が動き出すのか

文=山口組問題特別取材班
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五代目山健組・與若頭
五代目山健組・與若頭

 8月5日午前10時すぎ、兵庫県神戸兵庫区で2発の銃声が鳴り響いた。幸いにも発砲された銃弾は標的とされた人物から逸れ、ヤクザ用語でいう「身体に入る」ことはなかった。だが、この銃撃事件を受け、業界内には激しい緊張が走っている。狙われた人物が、神戸山口組の二次団体である五代目山健組・與(あたえ)則和若頭だったからだ。

 「與若頭が襲われたのは、今回で2度目になります。1度目は、2019年4月。與若頭は六代目山口組弘道会系組員に刃物で襲われ、重傷を負いました。その後、報復と見られる発砲事件が起きましたが、これにかかわったとして、中田浩司・五代目山健組組長が逮捕されているんです。さらに昨年には、五代目山健組が分裂することになります。神戸山口組を離脱した中田組長率いる五代目山健組と、現在も神戸山口組に残留している五代目山健組に分かれたのです」(地元記者)

 そして今回、狙われた與若頭は、神戸山口組に残留している五代目山健組のナンバー2だった。

 「六代目山口組サイドからは、“神戸山口組を離脱した五代目山健組に対しては、組員の引き抜きや攻撃を加えないように”といった話が流れているという噂がありました。つまりそれは、神戸山口組に残留している山健組に対しては反対の意味になります。それにしても、オリンピックの開催中に銃声が鳴ったことには驚きました」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 というのも、業界内では、ある噂が定説化していたのだ。それは、オリンピックが終われば、六代目山口組が神戸山口組に対して総攻撃を開始し、分裂問題を一気に終息させるのではないか、というものであった。

 「それだけに、今は何も起こらないという楽観論が業界内外にあったのは事実。仮にこれが分裂問題に関係しての発砲事件ならば、六代目山口組サイドとしては、どんなことをしてでも、そう時間をかけずに分裂問題に決着をつけるという強い意志の表れではないか。それにしても、あの山健組の、しかも若頭が2度も狙われるなんて、五代目山口組時代では考えられなかった」(某組織幹部)

 確かにこの幹部が話すように、五代目山口組時代(1990年代〜2000年代初頭)、山健組は「山健にあらずんば山口にあらず」といわれたほど強大な勢力を誇った。その山健組の最高幹部には、プラチナと呼ばれる直系の親分衆クラスの人材が数多くいたのだ。しかし時は流れ、2015年には山健組を中心とした勢力が六代目山健組を割って出て、神戸山口組を結成するに至った。山口分裂問題の始まりだった。

「最近は動きが止まっていた山口分裂問題において、今回の銃撃事件のインパクトは確かに大きい。特に神戸山口組に残留している山健組勢は、勢力が落ちてきていると噂されている。そこに残留している與若頭が狙われたとなると、神戸山口組に残留する山健組組員に影響が出てもおかしくないだろう」(事情通)

 いまのところ、目立った報復の動きは起きていない。だが、與若頭に対する今回の発砲事件は、さまざまな影響をもたらす可能性があるのではないだろうか。

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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