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六代目山口組をめぐる最新動向…最高幹部が“名門博徒”の後見へ、大物親分が逝去

文=山口組問題特別取材班
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六代目山口組の行事より

 まるで山口組分裂問題に終止符でも打たれたかのような静寂が続いている。ただ、実際に解決したかといえばそうではない。現在はひと時の休息なのだろうか。また、うねりをあげて動き出すシナリオが用意されているのだろうか。

 そうした中で、山口組分裂の影響を少なからず受けた他団体も、次第に分裂前の状態に戻る動きが出ている。例えば、山口組と同じく、ひとつの組織が袂を分けた会津小鉄会が再び統一され、その後見に六代目山口組の最高幹部がついたのは記憶に新しい【参考記事「会津小鉄会会長が挨拶に向かった先は…」】。

 そしてここに来て、同じように先ごろ継承盃を執り行った十代目酒梅組の後見に、六代目山口組の最高幹部がついたというのだ【参考記事「関西では名門博徒が盃直し」】。

 「その世界では、“京都の雄”といわれる会津小鉄会も、“名門博徒”といわれる酒梅組も、六代目山口組分裂後、神戸山口組を支持する姿勢を見せたといわれる組織です。その理由は、どちらも先代となるトップが神戸山口組の井上邦雄組長と親しい間柄にあったからと見られていました。ただ両組織とも代替わりに伴い、山口組分裂前の組織運営に戻そうという気運になっていっているのかもしれません。どちらも六代目山口組との関係を強化する動きを見せています」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 このジャーナリストの指摘が正しいのであれば、神戸山口組にとっては歓迎しかねる状況といえるだろう。そんな劣勢が囁かれ続ける神戸山口組は、今後どのような形態を為していくのだろうか。

「業界関係者が注目しているのは“終わりの迎え方”。つまり決着がどうつくのかというところ。神戸山口組は組織が衰退し、もはや六代目山口組に対抗する力はないとされるが、存続はしている。だが六代目山口組サイドは、どんなに力がなくなったとしても、神戸山口組の存在自体を否定しているのだ。いずれは、はっきりとした形で決着をつけるのではないか」(業界関係者)

 このように佳境に入ったといわれ久しい分裂問題だが、その終わるを見ることなく、六代目山口組では伝説的ともいえる親分がこの世を去っている。

 六代目山口組の名誉職ともいわれる、顧問という要職にあった川合組・川合康允組長が6月14日に病のために83歳で他界した。川合組長といえば、「山口組の中興の祖」といわれる三代目・田岡一雄組長から盃を受けた最後の直参となり、その活躍の歴史は40年にもわたる。

 「竹中四代目体制、渡辺五代目体制、司六代目体制と岐阜県を本拠地に山口組一筋に行き抜いてきた親分。そうした功績が評価され、今年に入り、名誉職となる顧問に就任されたほどだった」(事情通)

 六代目山口組では今後、川合組長を忍んで組葬を執り行うとみられている。

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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