再び、テレビ朝日に激震が走った。警視庁麻布署は窃盗と住居侵入の疑いで同社ビジネスプロデュース局の社員、篠宮康希容疑者(28)を逮捕した。各社報道や警視庁関係者によると、篠宮容疑者は5月30日午前5時ごろ、東京都港区内のマンションの一室に侵入し、ワイヤレスイヤホン(1万円相当)を盗んだ疑い。容疑を認めているという。
篠宮容疑者は2015年に同局に入社。EXITなどが出演した深夜のバラエティー番組の演出などを担当していたという。同局関係者は「EXITのりんたろー。や兼近との絡みがあったのは事実です」と語った。
犯行の理由は「金に困っていた」?
テレ朝といえば、東京オリンピック(五輪)閉会式のあった8日夜から9日未明にかけて、同社スポーツ局社員らが集団で飲酒した上で、社員1人が転落し負傷する事故が発生したばかりだ。同局に出入りする制作会社関係者は声をひそめる。
「連チャンでのトラブルで局内の空気は重いですよ。しかも、今回の盗みの原因が『金銭に困ってやった』ということですから、社員はもちろん下請けの我らですら“マジか?”と驚いています。かつてほどではないにせよ、局の社員は20代でも年収800万円は下らない高給取りですからね。局の管理部門は『若手の生活指導までしなければならんのか』と頭を抱えているようですね。
ご存知のように、ここ数年のテレビへのスポンサー各社の広告費は減少傾向にあります。加えて新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う不況です。制作現場の予算はかなり厳しい状況です。知人の担当する番組予算はここ数年で3分の1になったという話です。
数年前だったら通っていた領収書も通らなくなっている。篠宮氏が入社したころから、坂道を転がり落ちるように状況は悪くなっています。スタッフや番組関係者との打ち合わせなどに関しても、どこまでが仕事で、どこまでが私的な領域になるのかが曖昧な業界ですから、交際費をはじめ資料代や製作費などで自腹を切ることは多々あると思います。今回の一件がどうだったのかは定かではありませんが、そういう背景も影響しているのかもしれません。もちろん単なる浪費家だった可能性もありますし、盗みに入るのは言語道断ですが。
ただ、局内にはかつての“経費使い放題”のやり方を押し通そうとするプロデューサーやディレクターもいます。篠宮氏はまだ若手ですし、先輩や上司の仕事スタイルが色濃く出るはず。上にどのような“流儀”の人物がいたのかも重要だと思いますよ」
“濡れ手に粟”だったテレビ業界も変革を迫られているようだ。
(文=編集部)