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花粉症の蔓延、対策を怠った国と東京都の政治的責任…小池都知事、花粉症ゼロの公約反故

文=小川裕夫/フリーランスライター
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花粉症の蔓延、対策を怠った国と東京都の政治的責任…小池都知事、花粉症ゼロの公約反故の画像1「Gettyimages」より

 東京都知事選で自民党が支援する候補者に大差で勝利した小池百合子氏は、熱狂に迎えられたまま都知事に就任した。あれから2年半が経過し、1期目の折り返し地点を過ぎているが、都知事選時の公約はことごとく達成されておらず、反故にされた政策も少なくない。

 世間の耳目を集めた築地・豊洲市場問題や東京五輪にかかる膨れた費用の見直しはいうに及ばず、小池知事肝いりだった無電柱化や環境政策もパッとしない。このままの状態が続けば、2選に向けてはかなりの逆風が予想される。

 次の都知事選は2020年の東京五輪開幕直前に予定されている。自民党執行部に反発して衆院議員を辞してまで都知事に就任したからには、東京のリーダーとして五輪の舞台に立ちたいと思うのは自然なことだろう。しかし、先の衆院選では希望の党を結成してまで自民党を打倒することを画策したものの失敗に終わり、肝心の都政でも成果はあがらない。

 それでも不交付団体である東京都は、潤沢な財源を背景に中央政府の言いなりにはならなかった。歴代の都知事は、首相に対しても対等な立場で、ときに首相よりも上からものを言うこともできた。しかし、安倍政権は東京都の力の源泉である財源をも収奪しようと画策している。それが、地方消費税の精算基準の見直しだ。

 現行8パーセントの消費税は、国の取り分6.3パーセントと地方の取り分1.7パーセントとに分別できる。地方分は、人口や従業員数などに応じて47都道府県に配分される。第2次安倍政権が発足して以降、この配分率は頻繁に見直されてきた。そのたびに東京都の取り分は減らされている。消費税の配分率見直しは、いわば安倍政権に逆らったことへの“罰”という意味が隠されている。

 消費税の配分見直しにより、東京都は約2000億円の減収を迫られた。仮に、さらなる見直しによって減収が加速すれば、東京都は立ち行かなくなる――そんな危機感から、小池都知事は安倍政権の攻撃に屈した。先の沖縄県知事選では、自民党が支援する候補の応援に駆けつけて忠誠心をアピール。安倍政権への平身低頭が続いた。

 こうなると、小池氏の再選は安倍政権もしくは自民党の指先ひとつで決められることになる。小池都知事に起死回生の策はないのだろうか。

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