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そしてブラウン氏は、文明を救うためには次の4つの手立てが必要だと主張しているが、現実的にはどれも見通しは立っていない。
・2020年までに二酸化炭素排出を2006年水準の80%にカットする大規模な努力
・2040年までに世界人口を80億人で安定化
・貧困の根絶
・森林と土壌、帯水層の回復
また、ミネソタ大学環境研究所所長のJ.A.フォーリー氏も論文『人口70億人時代の食糧戦略』で「将来にわたって90億人を真に持続可能な方法で食べさせていくことは、私たちの文明が直面する最大級の難題となろう。解決には世界中の無数の人々の想像力と決断力、努力が必要だ」として、2050年の食糧不足問題が文明的な危機だと警鐘を鳴らしている。
翻って日本の現状を見ると、食料自給率は先進国最低の38%で、世界的な食糧危機に直面した時は、国民の食糧を確保することが困難な国に転落することは必至である。さらに、今年はTPP11(環太平洋経済連携協定)と日EU経済連携協定が発効され、日米FTA(自由貿易協定)交渉も予定されるなど、日本がこれまで経験したことがないほどの大規模な農産物輸入の自由化で、さらなる食料自給率の低下は必至の状況だ。
今一度、予想される食糧危機に対して何をなすべきか検討すべき時であろう。
(文=小倉正行/フリーライター)
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