今通常国会から統一会派を組んだ国民民主党(玉木雄一郎代表)と自由党(小沢一郎・山本太郎共同代表)が2月12日、合流に向けての政策協議に入った。両党は統一地方選までの合流を目指す。早ければ2月中、遅くとも3月中に協議をまとめる方向だ。原発政策が焦点と報じられているが、合流の肝はズバリ「選挙」だ。
「今夏には参院選があり、衆院選とのダブルの可能性もある。玉木さんは小沢さんが得意とする選挙で力を借りたいと思っている。小沢さんは過去2度の選挙で自民党を下野させ、2007年の参院選では自公を過半数割れに追い込んだ経験がある。勝利するための人脈や手法は、政界で右に出る者はいない」(玉木氏周辺)
小沢氏本人もヤル気。当初言われた「幹事長」などの役職に就く気はなく、一兵卒ながら選挙の“指南役”のような立場で働くとみられる。小沢氏は国民民主のカネ目当てだという解説もある。確かに同党の金庫には100億円超の資金が眠っているともいわれている。小沢氏はその「選挙の軍資金」を狙っているというのだ。
小沢氏の選挙手法はシンプルで、「勝てる候補を立てる」というもの。独自の人脈を使って、各地域で有望な候補者の情報を得て、出馬を口説く。選挙運動もサポートする。そのためのカネということだ。
「小沢さんは3度目の政権交代のためなら、どんなことでもやるつもり。玉木さんが『2人で川上で演説しましょう』と言っていましたが、本当に山奥の過疎地にまで行くんじゃないですか」(小沢氏周辺)
自民党など有名議員が街頭演説に立つ場合は、ターミナル駅に大勢の支持者を動員し、街宣車の上から語りかけるのが一般的。自民党の人気者・小泉進次郎衆院議員などはこのパターンが多い。一方、小沢氏の選挙手法のひとつである「川上から川下」では、あえて地域のなかでも有権者の少ない山奥で、動員をかけることもなく、それもビールケースの上に立ち、有権者と近い距離で演説する。そうすると、「こんな山奥まで来てくれたのか!」となり、「小沢さんが来たよ」というのが「川上」に住む親世代から、「街中=川下」にいる子世代まで伝播するというものだ。川の流れのように。