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天津を例に取ってみよう。外国企業の天津への投資は未曾有の速度で激減している。17年に106億ドルだったが、18年には48億ドルとなって、どの工場も企業もレイオフを発表した。就職情報はなく、求人フェアに応募する企業がない。代表例となったのが、韓国・サムスン電子の半導体工場の閉鎖である。
「グレイ・エコノミー」と呼ばれるわけのわからない商売が、これまでは失業者を吸収してきた。出前の代理配達、通信販売、バイク便、自転車シェア、つまりウーバー・ビジネスだが、これも最近は完全な飽和状態となった。その上、当局はグレイ・エコノミー分野にも新しい規制をかけようと動き出した。
予測をはるかに超える加速度をつけて、中国経済の成長が終わりを告げている。その弔鐘の音色が寂寥感をともなわず、騒々しいのが中国的特徴である。
(文=宮崎正弘/評論家、ジャーナリスト)
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