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日ハム斎藤佑樹…成績ダメダメながら“客を呼べる”…今後「オープナー」で起用か

文=美山和也
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日ハム斎藤佑樹…成績ダメダメながら“客を呼べる”…今後「オープナー」で起用かの画像13月18日、東京ドームで開催された2019 MGM MLB開幕戦 プレシーズンゲーム、対オークランド・アスレチックスにて先発、3回まで投げた斎藤佑樹投手(写真:AP/アフロ)

“ダメダメ”の斎藤佑樹(30)が、メジャーリーグの最新式起用法で大化けするかもしれない。

 北海道日本ハムファイターズの斎藤といえば、昨季の一軍登板はたったの3試合。2017年5月31日に1勝を挙げて以来、勝ち星はナシ。キャリアハイが“ルーキーイヤー”2011年の6勝というのもいただけないが、プロ9年目で通算15勝しか挙げていない(2019年4月1日時点)のもなかなかに残念な成績。夏の甲子園の元スターでなければ、とっくの昔にクビを宣告されていたはずだ。

「なんやかんやいっても、斎藤の投げる試合はお客さんが入るんです。選手別のグッズの売り上げもチームでは上位に入っていて、近年では、斎藤が打たれると喜ぶアンチファンも少なくありません。でも、マジメに練習しているのは本当で、なんとかしてやりたいと思っている首脳陣は栗山英樹監督(57)だけではないでしょう」(スポーツ紙記者)

 その斎藤が今春のオープン戦で奮闘したのは、既報通り。5試合11イニングを投げ、失点1は上出来である。

 だが、やはり斎藤はそのチャンスを生かしきれなかった。4月4日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦、斎藤は先発起用されたものの、楽天打線にいきなりの猛攻を食らい、2回途中3失点で降板となってしまう。そのまま二軍落ちが通達されたが、投手陣を預かる木田優夫コーチは、その試合後に意味深な発言をしている。

「打者一巡メドで交代するのは、予定通りだった」

 打者一巡メドとは、順調にいけば2〜3回を投げ終わったあたりだろう。斎藤はその2回の楽天の攻撃中、2アウトを取ったところで、2巡目の打席に入った1番バッター・田中和基に四球を出し、交代を告げられている。木田コーチのコメントを額面通りに取れば、たとえ「0点」に抑えていても、斎藤を早いイニングで交代させるつもりだった、ということになる。

昨季メジャーリーグで流行した投手起用法

 実際のところ斎藤は結果を残せなかったわけだが、結果のいかんにかかわらず、先発ピッチャーをこうして短いイニングで交代させる起用法を、オープナーと呼ぶ。

「オープナーは、昨季からメジャーリーグではやり始めた投手起用法なんです」(特派記者)

 2018年5月19日、タンパベイ・レイズのケビン・キャッシュ監督は大谷翔平の所属するロサンゼルス・エンゼルス戦で、リリーフ専門のピッチャーを先発マウンドに送った。理由はいくつかあるだろう。資金力が豊富でないため、先発投手の頭数が慢性的に不足していることもある。当時40歳と若かったキャッシュ監督は、「メジャーリーグでは初回の防御率がもっとも悪い」という傾向にも着目し、「1イニングを零封することを仕事とするリリーフ投手に初回を任せ、その後、リリーフ投手を総動員してしのげばいい」と柔軟に発想を変えたのだ。

 前出の特派記者がこう続ける。

「リリーフ陣を総動員させる試合は、『ブルペンデー』なんて呼ばれています。また、リリーフ投手を先発マウンドに送り、1イニングか2イニングを投げさせます。その間、本来の先発投手をブルペンで投げ込みをさせ、肩が温まったところで交代させ、長いイニングを投げてもらうというオープナーもありました」

 日本のプロ野球中継でも、解説者がよく使う言葉に「立ち上がりが悪い」「徐々に調子を上げてきた」などがある。つまり日本でも、先発投手が初回にはなかなか本領を発揮できないという実状があるわけだ。自分がイメージした通りのスピードが出ていない、あるいは変化球の曲がり具合がいつもと違う……などといったことが原因とされる。マシンではなく人間が投げているのだから、まったく同じボールを投げられないのは致し方のないこと。一流とされる先発投手はこうした事態に対し、試合のなかできちんと修正していく力があるわけだが。

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