シアトル・マリナーズが、昨年来の「球団会長付特別補佐」の立場に加え、イチロー(45)とマイナー契約を結ぶことが発表された。マイナーながら「現役復帰の契約」を交わし、きたる3月20・21日に開催される東京ドームでのペナントレース開幕戦直前に、メジャー契約となる見込みだという。
「日本での興行を成功させるため,一時的にイチローを現役復帰させたとの見方もされています。メジャーリーグでは海外興行を行う際、ベンチ入りメンバーを通常の25人から28人に拡大できる。その『プラス3人枠』でイチローを使い、日本のファンの歓心を買ったのだ、と」(米国人ライター)
さらにマリナーズはこの1月、菊池雄星(27)と最大で7年1億900万ドル(約118億500万円)の大型契約を結んでいる。いわばマリナーズは、日本で“客を呼べる”投打のビッグネームを揃えた形となったわけである。
両雄の共演は、確かに十分なセールスアピールとなろう。しかし、地元シアトル市民を含めた日米ファンの最大の関心は、「イチローの去就」ではなかろうか。日本での派手な開幕戦のあと、帰米後も現役生活を続けられるのかどうか……という問題である。
マリナーズのジェリー・ディポトGMは、「戦力」としてイチローと契約したのかどうかを聞かれると、「(日本開幕戦の)2試合で7本ヒットを打てば、3試合目もあると思うよ」と、意味深なコメントを返していた。一般的に考えても、かなりハードルの高い“ノルマ”である。仮にジョークだとしても、“レジェンド・イチロー”に対して少々失礼ではないだろうか。
「マリナーズは、2001年の地区優勝を最後に、ポストシーズンマッチに進出できていません。今オフには、ベテランや高額年俸の主力選手を大量放出し、世代交代を加速させました。でも、新たな戦力の補強は遅れている。なのでイチローは、若返った新チームのリーダーという位置づけではないかともいわれている。目下イチローの評価は、4番手の外野手。もっとも、遅れている新戦力補強に関してはキャンプイン直前まで続けられる模様なので、このあと、外野手の5、6番手まで下がる可能性もありますね」(特派記者)
どうやらマリナーズは、イチローに対する“処遇”を決めかねているのではないだろうか……?