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三角コーンと棒のみの杜撰さ…主催者トヨタの責任問われる、ゴーカート死亡事故

文=Business Journal編集部
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三角コーンと棒のみの杜撰さ…主催者トヨタの責任問われる、ゴーカート死亡事故の画像1
ネッツトヨタ函館公式サイトに掲載された”お詫び”

 18日に北海道森町の「グリーンピア大沼」で開催されていた「函館地区オールトヨタ・クルマファンFES2022」のゴーカート運転体験イベントで、11歳の女の子の乗るカートが暴走し、コース外にいた函館市の吉田成那ちゃん(2)がはねられて亡くなり、3人が負傷した。事故を受け、北海道警は業務上過失致死傷の疑いで捜査を開始した。

 一方、同イベントを主催したトヨタ販売店4社(函館トヨタ函館トヨペットトヨタカローラ函館ネッツトヨタ函館)は20日、各社の社長名で自社公式サイト上に「今回の重大事故により、お亡くなりになられましたお子様のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族に対し心よりお悔やみ申し上げます。加えて、被害に遭われましたお子様、ご家族、関係者の皆様に、心より深くお詫び申し上げます」とする“まったく同一のお詫び”を一斉掲載した。

 なお、事故発生当初、主催のトヨタ販売店各社やイベント名を明示していた地元メディアもあった一方で、この謝罪文が発表されるまで“トヨタ”の名前を伏せて報道するメディアも散見された。

三角コーンを棒でつなげたコース

 読売新聞オンラインが20日に配信した記事『ゴーカート暴走、2歳児の死因は脳挫傷…仕切りは三角コーンを棒でつなげただけ』によると、道警森署の実況見分で、事故のあったコースが以下のような杜撰なものだったことを伝えている。

「カートが走るコースと、成那ちゃんら見物客の距離は十数メートル。間に置かれていた仕切りは、三角コーンを棒でつなげたものだった」

 会場となった複合レジャー施設のグリーンピア大沼には、超低速の「バッテリーカー」やバギーカーの運転体験用のスペースはあったが、ゴーカート用の常設コースはない。地元メディア関係者は語る。

「主催者の当初の説明によると、運転体験イベントの参加者は事前に講習を受け、『低速』『高速』の2種類のカートのどちらかを運転していました。高速を運転するのに必要な条件は身長のみだったといいうことです。暴走したカートが時速40キロくらい出ていたとの話も出ています。現場を取材した記者によると、読売の報道の通り、事故現場のコースは三角コーンで仕切った部分でした。また別の場所には観客とコースを仕切る仮設防護壁もあったそうですが低くて簡易なものだったということです」

メリーゴーラウンドに規制はあるがカートは対象外

 NHKが報道しているように、事故を起こしたカートは公道で使用する車両ではないため、国が定める規制や基準はない。しかし今回の事故は、免許資格や軽車両の取り扱いに関する規制の盲点というより、事業者による仮設コースの安全設計やイベント安全管理が妥当だったのかが、最大の焦点になるのではないか。遊園地などのレジャー施設のアトラクションの安全管理制度はどうなっているのだろうか。

 ゴーカートといえばジェットコースターと並ぶ遊園地・レジャー施設を代表するアトラクションのひとつだ。例えば、大阪府吹田市の「エキスポランド」では2007年、ジェットコースター乗客の死亡事故が発生した。その後、総務省などが調査を行い、行政による「遊戯施設の安全管理」は制度化された。

 以降、ジェットコースターやメリーゴーラウンドといった遊戯施設内の“設備”は、国土交通省が各事業者の運営管理体制を指導し監督するようになった。しかし、ゴーカートのような“乗り物”は指導や規制の対象外という。

 同省建築指導課の担当者は「建築基準法施行令第138条の2で“工作物”と定められている『ウオーターシユート、コースターその他これらに類する高架の遊戯施設』と『メリーゴーラウンド、観覧車、オクトパス、飛行塔その他これらに類する回転運動をする遊戯施設で原動機を使用するもの』が監督の対象範囲となります。例えば、これに当らないバンジージャンプも対象になりませんし、工作物に当らない仮設の遊戯施設や、今回事故が発生したゴーカートも対象外となります」と説明する。

 常設のレースコースであれば建設時にさまざまな安全対策が施されるだろう。しかし、今回の事故は常設のレースコースでもなく、“施設”でも“設備”でもない。だからこそ、イベント運営主催者が自主的にしっかりと危険を予見し、安全対策を実施しなければならなったとも言える。トヨタ販売店4社は前述の”お詫び”で以下のように口をそろえる。

「自動車に関わる販売会社にとって、何よりも優先されるべきは安全であり、安心して来場されたお客様に対して、このような重大な事故を発生させるようなことは、決してあってはならないことであります。今回の事故が発生するに至った背景について、イベント運営体制を詳しく振り返り、二度とこのような事故を起こさないために、何が安全対策として足りていなかったのか、しっかりと見つめ直してまいります」

 今回の事故に関わったすべての子どもが被害者だといるだろう。イベント主催・運営事業者の責任は重い。道警による捜査の行方が注目される。

(文=Business Journal編集部)

 

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