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中国・習近平の暴走を止められる勢力が壊滅…台湾侵攻派勢揃いで早期強行の危険性

文=Business Journal編集部
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中国共産党大会での習近平総書記(「gettyimages」より)
中国共産党大会での習近平総書記(「gettyimages」より)

 もはや中国習近平の暴走を止める術はなくなったようだ――5年に一度の中国共産党大会を経て、習近平総書記が異例の3期目入りを果たした。新たに発足した最高指導部には“習派”がずらりと並び、後継候補も見当たらないため、習氏への権力集中や超長期政権化が懸念されている。

 10月22日に閉幕した党大会で約200人の中央委員が選出され、23日に開かれた中央委員会第1回全体会議では、24人の政治局員(指導部)と7人の政治局常務委員(最高指導部)が選ばれ、3期目の習指導部が発足した。

 23日に「中国式の現代化によって中華民族の偉大な復興を全面的に推進する」と語った習氏は、これまでと変わらずに党トップの総書記、国家元首の国家主席、軍トップの中央軍事委員会主席の地位に就く。

 それら3ポストを2012年から務める習氏の3期目入りが極めて異例なことは、2つの慣例を破ったことからもわかる。まず、国家主席の「2期10年」という任期が2018年の憲法改正で撤廃され、当時から習氏3期目への布石とみられていた。

 また、党大会時に68歳以上の人物は退任するという年齢制限もあったとされているが、69歳の習氏が続投したほか、67歳の李克強首相と汪洋全国政治協商会議主席が最高指導部から外れた。習氏は、暗黙のルールであった「68歳定年制」をも崩した形だ。

 また、新たな最高指導部7人の顔ぶれを見ると、李首相らを輩出し、習氏が嫌うとされている共産主義青年団(共青団/団派)の出身者は2人から0人となり、習派が6人を占めている。いわば、自身の身内ばかりでガチガチに固めた形だ。

 習氏の3期目入りについて、中国情勢に詳しい評論家の宮崎正弘氏はこうみる。

「事前の予測を覆し、団派壊滅、新執行部は全員が茶坊主、軍事委員会は『台湾侵攻派』が勢揃いとなった。習近平3期目の特色は『暴走皇帝に無能側近、戦争推進軍人』という畸形の誕生である。これで台湾侵攻の時期は早まる可能性が出た。

 トップセブンは序列順に習、李強(上海市党委員会書記)、趙楽際(中央規律検査委書記)、王滬寧(中央書記局書記)、蔡奇(北京市党委書記)、丁薛祥(党中央弁公庁主任)、李希(広東省党委書記)となった。

 情報筋が盛んに次期首相と期待した汪洋は留任できず、李克強は引退に追い込まれ、団派待望の胡春華は政治局員からも排除された。代わって『戦狼外交』で習への忠誠を尽くした王毅が入った。日本通はゼロ、経済専門はゼロ、したがって習の暴走を止める勢力が壊滅したということである」

 一部では、次の任期である2027年までに習氏が台湾への軍事侵攻を実行に移すとの観測もあるが、その時期が早まるとなれば、日本への影響も避けられない。さらに、そうした習氏の暴走を止められる人物が最高指導部内にいないのだとすれば、世界は新たな脅威に直面することになりそうだ。

 一方で、習氏は、中国建国の父である毛沢東が使った「党主席」「領袖」といった肩書を党大会で復活させるのでは、との臆測もあったが、それは実現しなかった。党主席は任期の定めがないため、仮に実現していれば習氏の“終身トップ”が現実味を増すとみられていたが、自身の地位を毛沢東のレベルまで引き上げることは困難だったようだ。

 しかし、今後、そういった狙いも含めて、習氏が台湾侵攻などの軍事的覇権拡大に積極的に動く可能性は高いだろう。

BusinessJournal編集部

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