経済学者で米イェール大学アシスタント・プロフェッサーの成田悠輔氏が、19日に放送されたTBS系教養バラエティ番組『日曜日の初耳学』に出演。結婚生活で守るべき法則として「配偶者より幸せになってはいけない」と主張し、ネット上で物議を醸している。過去の「集団自決」発言が炎上している最中ということもあり、成田氏への世間の風当たりが強まっているようだ。
番組では、成田氏が出演者たちの悩みに答える形で授業を実施した。ぺこぱの松陰寺太勇は、休みの日にゲームをしていたら子育て中の妻から「あなたは休みの日にしっかり休むんだね」と言われたとし、たまの休みなのに妻に気兼ねして休めないと告白。成田氏は「100%松陰寺さんが悪い」とバッサリ切り捨て、ノーベル賞を受賞したという知り合いの学者が提唱したという「結婚生活で守らなければならない法則」を紹介した。
成田氏は「自分の配偶者よりも幸せになっていけない」と語り、どちらかが「相手の方が自分より幸せ」と思った瞬間に夫婦関係にヒビが入ると真意を説明。これに司会の林修は「すごい威力!」と絶賛し、スタジオで授業を見守っていたゲストらも感嘆していた。
しかし、これに対してSNS上では「幸せになることにブレーキをかけるような言葉」「互いにそう思ってたら、幸せのデフレスパイラルになって2人とも不幸になる」「DVやモラハラに苦しんでいた人間にとってはまったく別の意味に聞こえて不快」といった否定的な意見が続出。その一方で「とても心に刺さる名言だった」「自分より配偶者に幸せになってほしいっていう心がけのことだよね」「心に留めておくだけで優しくなれそう」などと共感の声もあり、賛否両論となっている。
ただ、全体的には批判的なコメントが目立っており、その理由としては成田氏が「炎上中」であることが影響しているようだ。
成田氏は2021年12月に出演したネット番組『ABEMA Prime』で、地方の過疎化や高齢化について「僕はもう唯一の解決策は、はっきりしていると思っていて。結局、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなのしかないんじゃないかなと。やっぱり人間って引き際が重要だと思うんですよ」などと発言。YouTube動画でも「安楽死の解禁とか、将来的にあり得る話としては、安楽死の強制みたいな話も議論に出てくると思う」といった持論を述べるなどし、過激な“世代交代”論に批判が続出していた。
最近、この発言が米ニューヨーク・タイムズで取り上げられたことで世界的な炎上騒動になり、イェール大学が公式サイトの成田氏のプロフィールに「意見は彼個人のものであり、経済学部やイェール大学の見解を示すものではない」という一文を追記する事態になっていた。そうした騒動の渦中だったことで、余計に先述の「配偶者より幸せになってはいけない」発言がネガティブな印象になってしまった可能性がありそうだ。
新進気鋭の論客として各局の情報番組でコメンテーターとして大活躍し、女優の石田ゆり子やモデルの冨永愛ら芸能人の信奉者も多い成田氏だが、当面は発言が炎上しやすい状況が続きそうだ。