そんなリスクマネジメントだが、芸能人をはじめとする著名人の私生活にも当てはまる。「スキャンダルが発覚しない著名人は、リスクマネジメントがしっかりしている。徳洲会グループからの金銭受領により猪瀬直樹・元東京都知事が辞任に追い込まれた事件を見れば、一目瞭然だ」と記者たちはいう。
では、著名人たちはどのようなリスクマネジメントをしているのか?
例えば、ある元サッカー日本代表選手。彼は「これは書かないでくださいね」と言ったことを週刊誌に記事にされ、人気絶頂で多忙期に政治団体に圧力をかけられてしまう。メディアスクラムも加わり精神的に疲弊していた彼が選んだのが、某高級ホテルに隠れることである。
高級ホテルの中には、メインエントランス以外の入口をVIP用に開放するホテルがある。彼は、そこから出入りし、さらにホテルの計らいで、営業時間外にフィットネスクラブなどを利用し、リフレッシュを行っていた。世話になったホテルコンシェルジュを自身のマネージャーに引き抜いたことが物語っているように、満足いく滞在となったようだ。
●費用対効果を得られないケースも
高級ホテルを秘密の場として利用している著名人は多い。もちろん、一泊5万円近い金額を払わなければいけないが、セキュリティは万全である。ただし、デートしている事実を従業員にTwitter上で流されたプロサッカー選手・稲本潤一とモデル・田中美保のように、評判が落ち気味な高級ホテルを選んでしまうと、費用対効果は得られないため、この辺は入念なリサーチが重要になる。
ちなみに、「トイレに行っているところを見たことがない」と共演者やスタッフに言われる超大物俳優は、撮影現場に行く途中で高級ホテルに立ち寄り、用を足している。平日昼間の地下宴会場のトイレに人が少ないのをリサーチ済みなのだ。
このように、資金は必要にはなるが、リスクマネジメントを行えば、秘密が漏れるリスクを減らすことができる。高級ホテルに数部屋だけある1カ月1000万円もかかる部屋に住んでいる著名人もいる。こういった部屋のメリットは、そこに住んでいることをコンシェルジュやフロント、ベルボーイの管理職しか知らないこと。さらに、マンションのように固定された住人がいるわけでもないため、情報が漏れにくい。
ほかにも、1日1組しか利用できない、食事だけで一人5万円はかかる高級料亭なども東京都内にはあり、一般人が存在すら知らない場所で密会が行われている。そこでのやりとりは外部に漏れることがないため、芸能界と裏社会との取引も行われているともいわれる。
●気配りも重要
「ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けない」という言葉があるように、一流の場所を利用するためには、一流のパーソナリティーが必要になる。