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日本の“お家芸”を生かして、天然資源産業開拓の契機に

原発停止で注目シェールガス採掘が、地震やがんを誘発!?

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広がる環境汚染問題

 採掘現場周辺の土地では、薬剤が混入した水が地下水脈に流れ込む、水質汚染も問題となっている。

 「各家庭の水道水からガス臭がする」
 「水が濁るようになってきた」
 「井戸の水が涸れた」

などという報告は引きも切らず、煙草を吸いながら蛇口をひねると炎が噴き出したという例もある。

 「地域に、ぜんそく患者や、ある種のがん患者が急激に増えている」

といったトラブルも報告されており、近隣住民の生活に直接大きな影響を及ぼしているのである。当然のように反対運動も起こり始めているのだが、この工法に関しての法規制が比較的緩いことや、採掘エリアでの雇用増大など、メリットも大きいため、概ねどこも規制には消極的。バーモント州のように同工法の禁止を法制化しようとする動きもないわけではないが、やはり少数派だ。結果として地域住民の不安は増すばかりとなってしまっている。

採掘地域住民間の対立も勃発

 ニューヨークに隣接するペンシルバニア州は、大規模な採掘が行われている地区の一つ。郊外の牧草地には多くの農家や畜産業者が存在し、ガスの採掘作業が行われている。大都市近隣や住宅密集地というわけでもないので、採掘工事は当初から順調であり、莫大な生産量を確保するのにたいした時間はかからなかった。

 ここでは、その産出したガスにより利権を得られる家主と、そのような利権とは一切無縁な人々が混在する。そして、掘削をはじめとする採掘工程における問題は、そのエリア一帯に同様に影響を及ぼすこととなる。利権を得られている家主は、少々の不具合などは気にせずどんどんガスを産出してもらった方が利益になる。極論を言えば、手にしたお金でほかに新しく住居を確保すればよいだけの話だ。一方、利権を持たない家主の場合、ただひたすら「公害」に悩み続け、即時の工事停止を期待することとなる。つい先日までは同じ生活環境下にあった両者は、今では真っ向から対立する立場となって争う事態に発展してしまったのだ。

日本のチャンス

 このように多くの問題を抱えるシェールガス開発の現状ではあるが、「だからこそ日本がこの分野に積極的に参入すべし」という意見もある。

BusinessJournal編集部

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