実は、これまで電話のたびに次のように説明してきた。
「月末に支払いが多いので、いつも月初に行っています。忘れているのではなく、長年同じやり方で実施しているので我が家は大丈夫です。それは顧客データをお調べいただければわかるはずで、こうした電話は不要です。ついでに申し上げれば、私は保険の取材もするので自分の保険内容は把握しており、支払いが遅れれば失効することも知っています」
だが、同社には、なかなかご理解いただけない。10年もの間、2月末と8月末になると、毎回別の担当者から同じ督促電話がかかってきた。前回の電話で担当者に「毎回お話しするのですが……」と、事情を細かく伝えたところ、とても恐縮していたので、ご理解いただけたかと思ったが、やはり伝わらなかった。そして今回、冒頭の怒り発言となった。
初めて届いた「お詫び」文書も、誠意不足
かつて、筆者は大手消費財メーカーに勤務していた。それ以来「企業と消費者とのコミュニケーション」をテーマにした企画や取材も多い。「お客様相談センター」を例にとると、先進的な企業では「クレーム内容は宝の山」「わざわざ『消費者調査』をしなくても、お客様から不満を教えてくれる」「誠心誠意対応すれば、新たなファンとなってもらえる」といった実例と向き合ってきた。その実績から、国内外の企業から依頼を受けて「クレームではなく、マーケティングの一端として取り組もう」との内容で講演もしてきた。
そうしたビジネス視点で見ると、金融機関の「お客様相談」は総じて横柄で、特に今回のアフラックの対応は最低レベルだ。顧客事情も勘案せず、顧客の依頼にまったく応じていない。これは筆者が当事者という点を割り引いてもご理解いただけると思う。
実は今回、初めて「フォローアップコールのお詫び」なる手紙が届いた。差出人は「アフラック 料金第二部料金第二課長」名で、冒頭に記した「責任者に伝えてほしい」との話がようやく届いたことになる。
私信だが、守秘義務がないのでビジネス文書例として抜粋紹介すると、「大変不快な思いを抱かせてしまったことにつきまして深くお詫び申し上げます」「昨年2月および8月に電話は不要とのお申し出をいただいていたにもかかわらず、再三ご連絡してしまい、誠に申し訳ございませんでした」とある。過去10年にわたり伝えてきたが、前回、前々回に筆者が依頼した内容は把握していたようだ。