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鳥羽周作シェフ、生の豚肉調理した包丁を生キャベツ千切りに使い回し…食中毒リスク

協力=岡田正彦/新潟大学名誉教授、上昌広/血液内科医、医療ガバナンス研究所理事長
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鳥羽周作のInstagramアカウントより

 女優・広末涼子との不倫を認め渦中にいる、ミシュラン一つ星シェフで人気フレンチレストラン「sio」オーナーの鳥羽周作氏。その鳥羽氏がYouTube上で公開しているレシピ動画内で、生の豚肉を切った包丁とまな板を洗浄せずに、それらを使用して生のキャベツを千切りにして火を通さずにお皿に盛りつけているシーンが物議を醸している。食中毒を引き起こすリスクも指摘されているが、専門家に解説してもらう――。

 今月7日に第一報が報じられてから2週間が経過したが、いまだに騒動が冷めやらない人気女優と有名オーナーシェフの熱愛。14日に2人はそれぞれ自身のSNS上で事実を認めて謝罪したが、2人が継続的にかわしていた交換日記形式のラブレターの内容まで公開され、22日発売の「週刊文春」(文藝春秋)では広末自身が単独インタビューに応じて、所属事務所への批判を展開するという異例の事態に。さらに、広末の夫でキャンドルアーティストのキャンドル・ジュン氏は18日、緊急会見を開き、過去にも広末が不倫していたことを明かし、

「相手方と示談した話ですので、詳しくは話しませんが、過去にそういう(不倫相手との)LINEを見て、相手を確認して、彼女にわからないように相手のところに行き、決着をつけたこともありました。でも、もうそういうことをしたくないし、できればとどまってほしいなと思っていました」

と告白。さらに、

「(広末は)過度なプレッシャーがかかったりだとか、不条理なことに出くわしたりとかそうなってしまうと、濃い化粧をして派手な格好をして、眠ることができず、常に何かを書いていなければ心が収まらず、誰かに連絡をしたり、豹変してしまうんです。結婚してから何度かそういうことがありました。自分が結婚したからには、もうそんなことはないだろうと思っていましたが、何度かあった際も、事務所は『ひたすら今は我慢するときだ、隠さなければいけない』、家族たちも、彼女が社会的に不条理なことをしていてしまっても黙って見守るしかできない」

と広末について赤裸々に語り、世間に衝撃を与えた。キャンドル・ジュン氏は広末の単独インタビュー記事が掲載された「文春」22日発売号の記事で取材に応じており、会見で示談に応じたと明かした広末の不倫相手は俳優の佐藤健かとの質問に対し、「その件とは違います」と回答。また俳優の成河(ソンハ)かと聞かれ「答えられません」と応じている。

病原体による汚染を拡大させてしまうリスク

 何かが吹っ切れたかのように公の場で語りだした広末とキャンドル・ジュン氏とは対照的に「雲隠れ」を続けている鳥羽氏。同氏とコーポレートシェフ契約を結んでいたユーグレナは契約の解除を発表し、六甲バターも鳥羽氏とのCFDO (Chief Food Design Officer)契約を解除。出演していたNHK番組『きょうの料理』も事実上の降板となるなど、鳥羽氏のビジネスへの影響が出始めている。

 そんな鳥羽氏が「kufura」(小学館)公式YouTubeチャンネル上で2020年10月に公開した動画「【永久保存版】これは革命的!ごはんが止まらない!豚バラ肉の『しょうが焼き』」が物議を醸している。美味しい豚肉の生姜焼きの作り方を解説するというものだが、生の豚肉を切った包丁とまな板を洗浄せず、軽く布巾でふいて、それらを使って生のキャベツを千切りし、火を通さずにお皿に盛りつけているのだ。飲食店の厨房で働く料理人はいう。

「生の肉や魚を扱う器具と、火を通さずに生で口にする野菜やお刺身などの食材を扱う器具を分けるというのは、料理の基本中の基本。同じ器具を使い回すと食中毒や感染症を引き起こすリスクがあり、飲食店に限らず、家庭でもそのように意識している人は多い。もっとも、飲食店の現場では徹底されていないところも少なくないが、百歩譲っても、先にキャベツを切ってからその器具で生の豚肉を切ったり、もしくは豚肉を切った後にいったんお湯と洗剤を使って洗浄してからキャベツを切るべき。このような動画が拡散されれば店の客離れも招きかねず、堂々とアップするという行為はちょっと信じがたい」

 衛生管理面のリスクについて、医師で新潟大学名誉教授の岡田正彦氏はいう。

「生の豚肉には、さまざま食中毒菌が混入している可能性があります。頻度が多いのは、カンピロバクター、大腸菌、サルモネラ、黄色ブドウ球菌などです。たとえば代表的なサルモネラによる食中毒では、食べたあと6時間ほどで下痢や血便、発熱、胃痛などの症状が認められ、ときには6日くらい経ってから発症することもあります。

 豚に寄生する固有の微生物でとくに問題になるのは、旋毛虫です。感染すると1~2日後に腹痛、下痢、嘔吐などの症状が現れ、1~2週間して発熱、筋肉痛、粘膜の出血、顔のむくみなどの症状が出てきます。日本での報告例はまれですが、過去に集団食中毒を起こしたこともあります。

 生肉による食中毒を避けるには、まず水で洗わないことです。水浸しにすると食中毒菌が周囲に広がってしまうからです。生肉を切ったりしたあとは、手や調理器具を流水で20秒以上洗うことと、まな板を取り替えてください。調理には、肉の内部まで少なくとも63~71℃以上になるように加熱し、余熱で殺菌するため調理後も3分以上、そのままにしておきます。豚肉に限らず、生肉を調理する際に気をつけたいのは、キャベツやサラダ野菜など生で食べる食材と絶対に触れ合わないようにすることです」

 また、血液内科医で元東京大学医科学研究所特任教授の特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長、上昌広氏は次のように指摘する。

「厚労省のホームページにも、『牛や豚などは、と畜場で解体処理する過程で腸内にいる腸管出血性大腸菌やサルモネラのような病原性の細菌がお肉や内臓に付着したり、E型肝炎ウイルスなどの人に害を与えるウイルスや寄生虫に感染している場合があります』と書かれています。いずれも加熱処理で滅菌でき、病原性を失います。ところが、今回のような豚を捌いた包丁などを他の食材に使うと、可能性は高くはありませんが、このような病原体による汚染を拡大させてしまうリスクがあります。調理器具を介した集団食中毒は、医学論文として、世界中から多数の報告は発表されています。注意をしても、食中毒を避けるのは難しいのですから、このような対応は言語道断です」

 鳥羽氏はsio株式会社の代表取締役として現在、全国に「Hotel’s」(東京・港区北青山)、「o/sio」(東京・千代田区丸の内)など計8店舗を展開する飲食ビジネスの経営者としての顔も持つが、鳥羽氏による釈明が待たれるところである。

(協力=岡田正彦/新潟大学名誉教授、上昌広/血液内科医、医療ガバナンス研究所理事長)

岡田正彦/新潟大学名誉教授

岡田正彦/新潟大学名誉教授

医学博士。現・水野介護老人保健施設長。1946年京都府に生まれる。1972年新潟大学医学部卒業、1990年より同大学医学部教授。1981年新潟日報文化賞、2001年臨床病理学研究振興基金「小酒井望賞」を受賞。専門は予防医療学、長寿科学。『人はなぜ太るのか-肥満を科学する』(岩波新書)など著書多数。


岡田正彦

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