家計管理は、ライフプランを実現するための手段
どのような家計管理方法をとるにしても、大切なことは、まず夫婦でライフプランやマネープランについてしっかり話し合うことだ。その上で、「年間100万円貯める」などの目標を立て、月々の貯蓄額や予算作りに落とし込んでいく。そして、家計管理をどちらかに丸投げするのではなく、お互いに家計を把握し分担していこう。月々の予算を2人で立てたら、食費や子どもにかかる費用のやりくりは妻が担当し、レジャー計画と予算配分、貯蓄の管理は夫がするなど、得意な分野をそれぞれ担当するのだ。
家庭によって管理しやすい方法は違う。夫婦の収入のバランスや家族構成によっても変わってくるので、自分たちのライフスタイルに合わせて、ストレスなく透明性が確保しやすい方法を選んでいく必要がある。夫婦共にバリバリ働き、収入にも大きな差がなければ、お互いの収入から出し合うという方法でも問題ないかもしれないが、そのようなケースでも、出産や育児などで妻の収入が一時的に減った時には、お互いの収入を合算して考えると管理しやすいだろう。
いずれにしても、以下のポイントを押さえておくことが大切だ。
・ライフプランやマネープランについて2人でよく話し、いつまでにいくらお金が必要になるのかを共有する
・その上で、月々の貯蓄額を決めて、給与が入ったら先取りで貯蓄をする
・家計管理は2人で行い、担当を決めて得意な分野を受け持つ
・小遣い額を決めたら、使い道については深追いせず、自由度を持たせる
並べてみると簡単なようだが、これらがしっかりできている夫婦は意外と少ない。夫婦であっても、お金については腹を割って話し合うことができない場合も多い。そうなると、どちらが、何に、いくら使っているのかという目先の部分にとらわれて揉め事が起きやすい。家計管理の本来の目的は、お金を細かく把握することにあるのではない。お金をコントロールし、2人共通の目標(ライフプラン)を達成することと認識すれば、家計管理をより前向きにとらえて取り組むことができるだろう。
(文=大竹のり子/CFP、株式会社エフピーウーマン代表取締役)
●大竹のり子 株式会社エフピーウーマン代表取締役、ファイナンシャルプランナー(CFP)
出版社の編集者を経て2005年4月に、女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立。現在、雑誌、講演、テレビ・ラジオ出演など多くのメディアを通じて女性が正しいお金の知識を学ぶことの大切さを伝えている。『マネーセンスを磨けば、夢は必ずかなう!』(東洋経済新報社)、『老後に破産しないお金の話』(成美堂出版)など、お金の分野での著書は40冊以上に及ぶ。一般社団法人金融学習協会理事。
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