仮想通貨、売る時期次第で税金に多額の差…払う税金を極力少なくする方法
一般的な仮想通貨を売買するためには仮想通貨交換業者が運営する仮想通貨取引所に口座をつくる必要があり、仮想通貨交換業者の仲介により、仮想通貨の取引を行うことができます。そして、仮想通貨の取引によって得た利益には税金がかかります。所得は発生要因によって給与所得や事業所得など10種類の所得に分類されて税金を計算することになりますが、仮想通貨で得た利益は原則として「雑所得」に区分されて税金が計算されます。
雑所得に対する税金は、他の所得と合わせた金額に応じた所得税率を乗じて算定されます。そのため、例えば仮想通貨によって100万円の利益を得た場合に、所得税がいくらになるかは人によって変わるということです。仮に所得税率が20%の人がそれだけの利益を得た場合には、仮想通貨の所得だけで所得税が約20万円(100万円×20%)もかかることになります。
仮想通貨は売るタイミングで税金が変わる?
仮想通貨は単に保有している状態であれば、たとえ取引相場が上がっていて含み益があるとしても税金はかかりません。基本的に、所得が発生する要因となる資産の引き渡しがあった日を収入として認識すべき時期とされていますので、仮想通貨の売却や交換などの取引を行わずに、単に保有している状態であれば含み益があるとしても税金はかかりません。
前述した通り仮想通貨の利益に対する税率は、他の所得と合わせた金額に応じて決まりますので、仮想通貨以外の所得が多い年に仮想通貨の換金をすると税金が多くなってしまう可能性があります。もし、仮想通貨の売却や交換の時期をコントロールできるのであれば、他の所得との関係で、税率の低い時期を選べば節税になります。
(1)仮想通貨の所得以外に給与がある場合
1年の給与収入が600万円の会社員が仮想通貨で100万円利益を得た場合、所得税率は20%に達します(社会保険料控除は収入に対して15%とし、扶養親族がいない独身者を前提にしています)。つまり、この場合、仮想通貨の利益に対して、20万円の税金がかかるということです。
(2)仮想通貨の所得以外に所得がない場合
一方、仮想通貨で得た所得以外に所得がない場合、所得税率は5%となります。利益が100万円だった場合には、5万円ということになります(もう少し厳密に説明すると、100万円から基礎控除38万円を控除した額に5%を乗じた約3万円を所得税として納付することになります)。