台風による自宅の損害、確実に補償を受けるための火災保険選び&保険請求時の注意点
やはり「火災保険」は加入しておくべき
国からの支援制度がベースになるとはいえ、もちろんこれだけでは十分な補償とはいえない。自宅が全壊や倒壊、浸水などの被害に遭った場合、やはり頼りになるのは「火災保険」である。しかし、生命保険に比べて、火災保険や自動車保険などの損害保険は、なじみが薄いようで、正しく理解していないケースや勘違いされているケースもある。
そこで、台風被害に対して知っておくべき火災保険の3つのポイントをご紹介しよう。
ポイント1:台風の被害が補償されるかどうかを確認する
まず1つ目は、「台風被害がカバーできているか」を確認することだ。賃貸・持ち家問わず、自宅がなんらかの被害にあった場合、台風の被害が補償されるかどうかは、加入している火災保険の契約内容によって異なる。なお、このうちの落雷は、火災、破裂、爆発とともに火災保険の基本となる補償で、契約に必ずセットされている。
想定される台風のおもな被害を補償するのは、「風災」「水災」「落雷」に対する補償だ。それぞれ具体的にカバーできる例は以下のとおり。
<風災の例>
・台風によって屋根が吹き飛んだ
・暴風による飛来物で窓ガラスが割れ、吹き込んだ雨水で水浸しになった
<水災の例>
・集中豪雨による土砂崩れで、家屋に土砂が流れ込んだ
・近くの川が氾濫し、床上浸水し家具などが水浸しになった
・大雨により高潮が発生し、海水が防波堤を越え被害に遭った
<落雷の例>
・台風で落雷が発生し屋根に穴が開いた
・落雷でテレビやPCが故障した
火災保険は、建物の構造区分や地域によって保険料が変わる。例えば、九州や四国地方では台風、北海道や日本海側では雪害など、それぞれの地域で予想されるリスクが異なるからだ。水災については、自治体が提供しているハザードマップで土砂災害や津波、河川の氾濫などの危険性を確認し、リスクが高い地域であれば、補償に含めておくようアドバイスしている。ただし、火災保険における2017年度の水災補償付帯率は70.5%。2013年度は76.2%だったのに対して、年々低くなっている。
また、地域によっても差がある。都道府県別の付帯率を見ると、山口、徳島、高知、宮崎が80%超となっているが、奈良63.7%、滋賀64.5%などの低い地域もある(※出所:損害保険料率算出機構)。
水害に対する世論調査によると、加入していない理由として「自宅周辺で水害は起こらない」「自宅周辺で起こっても自宅建物は被害を受けない」といった回答が多く寄せられた。その一方で、「保険料が高い」「保険・共済の存在を知らなかった」など、損害保険や共済に関する正しい情報提供が必要と感じられる意見もあった(※出所:「水害に対する備えに関する世論調査(平成28年1月)」)。