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山崎俊輔「発想の逆転でお金に強くなる『お金のトリセツ』」

会社の先輩のお金のアドバイスは意外に正しい?貯金がたまる「強制的貯蓄」の仕掛け

文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

財形確定拠出年金は利用しておくに越したことはない

 財形というのは勤労者財産形成貯蓄制度という仕組みで、簡単にいえば「会社を通じて行う積立預金」です。会社内で手続きをしておくと、給与振込の時点で指定金額が貯金された状態で残額をメインバンクに振り込んでくれます。要するに「自動貯金」ができるわけです。

 財形制度には「一般財形」「住宅財形」「年金財形」の3つがあり、住宅と年金の財形は利息が非課税になりますが、使い道や解約の制限があります。利息非課税といっても、現在は超超低金利なのでほとんどメリットは感じられません。新卒や若手社員は一般財形を選べばいいでしょう。大企業では8割が、中小企業でも4~5割が財形制度を実施しています。なお、金融機関は会社が指定していることが多く、どこでも自由に選べるわけではありません。

 確定拠出年金(企業型)は、会社の退職金制度の一部(全部)として導入されるもので、会社員の6人に1人くらいに普及している制度です。積立金は会社が出し運用は自分で選択する、という仕組みです。といっても、定期預金や投資信託を約20本程度の選択肢から組み合わせればよく、株の売買を直接する必要はありません。

 この制度、「入る」か「入らない」かが選べることが多いのですが、一度入ると原則60歳まで解約できないため、新人に対して無理に加入を勧めない傾向があります。しかし、これからの人生を考えると計画的な老後の貯金が必要であり、ぜひ「入る」を選ぶべきです。

 また、「入る」を選んだ場合、掛金相当額には税金がかからないうえ、運用益や利息も非課税、受取時にも税制優遇があるため、賢く効率的な資産形成になります。

「入らない」を選ぶと現金で支払われることになりますが、この場合は税金が引かれるため15~20%少ない金額しか手元には残らないという「最初から大損」した受取になります。そこから慌てて増やしても運用益や利息には20%の課税がされるため、さらにお金の増えるペースは遅くなってしまいます。

 人事部や総務部はそこまで時間が割けないため、細かいことを親切に説明してくれることはあまりありません。財形と確定拠出年金については、先輩が勧めてきたらぜひ利用をするといいでしょう。

 ちなみに、4月の最初の給料について4月1日から15日分の賃金が25日に払われる会社の場合、最初の給料は半月分で翌月の25日までしのぐことになります。こういう会社の場合は、財形の引き落としは5月からでもいいでしょう。確定拠出年金は今月分を翌月引き落とす仕組みなので、すぐ手続きしても最初の引き落としは5月になります。

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

1972年生まれ。中央大学法律学部法律学科卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。個人の資産運用や老後資産形成のアドバイスが得意分野。日経新聞電子版やYahoo!ニュースなど多数連載を持つ。月間PVは200万以上。
フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャルプランナー
financialwisdom

Twitter:@yam_syun

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