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山崎俊輔「発想の逆転でお金に強くなる『お金のトリセツ』」

会社の先輩のお金のアドバイスは意外に正しい?貯金がたまる「強制的貯蓄」の仕掛け

文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

今使わず、あとで使うお金を残すことはとても苦しいこと

 新社会人のほとんどは、アルバイトくらいしか「働いて稼ぐ」経験がないと思います。また、「○○が欲しいからバイトする」「旅行費用が貯まるまで集中的にバイトする」といった、短期的なバイト経験をした人も多いでしょう。

 しかし、これからの人生は、生涯を通じて稼いだお金を、人生全体を見通しながらやりくりしていくような視点が求められます。

 具体的にいえば「計画的に貯めて、将来の大きな出費に回す」という発想が必要で、結婚、車の購入、子育て費用、住宅購入(ローンも併用するが頭金が重要)、老後資金確保などを考えれば、最低でも100万円単位、できれば数千万円レベルの「貯める」を何度も考えていく必要があります。

 しかし、遠い将来の準備のため、今お金を使わず残していくことは楽しいことではありません。苦しいしイヤなことです。

 とはいえ、借金でその場をしのげば利息がかさみ、割高な買い物になります。キャッシングを気楽に利用する人は10%以上割高な買い物をしているも同然です。

 だとすれば、自分のお金が貯まる「しかけ」を講じる必要があります。先ほどの先輩のアドバイスはまさに「しかけ」をつくっておくような金言なのです。こういう「しかけ」を最初の給与が払われるまでにつくっておけば、「手取りってこんなもんか」と割り切ってそこからやりくりをすることができます。

 ただし、「財形」も「確定拠出年金」も最初の手続きだけは自分でしなければなりません。多くの場合、「○日までに提出」というような期限が設けられています。ここは社内の説明をしっかり聞いておくといいでしょう。

アメリカでもイギリスでも「半強制貯蓄」がスタンダードに

 投資について国民の理解が深いといわれるアメリカやイギリスにおいても、国民がみんな詳しいわけではありません。そして公的年金が水準を下げているのはどこの国も同じです。両国では、「半強制貯蓄」を国民にプッシュする政策を行っています。アメリカでは401(k)プランという積立制度がありますが、就職したら強制的に加入させ、強制的に積立比率も決めさせ、強制的に投資をさせる、という仕組みに変わりました。

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

1972年生まれ。中央大学法律学部法律学科卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。個人の資産運用や老後資産形成のアドバイスが得意分野。日経新聞電子版やYahoo!ニュースなど多数連載を持つ。月間PVは200万以上。
フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャルプランナー
financialwisdom

Twitter:@yam_syun

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