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金融庁職員に聞く「アベノミクス活況で跋扈する悪徳金融業者の監視を強化」

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A 「商品性が問題である」ということを、官として意思表示し、それを受けて金融業界が自主的に規制するという流れになれば、それでいいと思うんですよ。「健全とは思えない新しい金融商品が出たら、すぐに官側が規制してしまえというのでは、あまりにも全体主義的ですから。

●海外ヘッジファンドよりも国内リテールに関心

–「行政として、監視・監督はする。しかし規制をするものではない」ということですね?

A 監視・監督・検査は、行政としての仕事です。しかし「何を規制するのか?」を決めるのは政治の仕事ですから。我々がどうこう口を挟めるものではありませんし、挟んではいけないことだと思っています。

B どうにも解決できなければ、それは検察庁などと連携して、対応すればいい話ですから。

–かつて金融庁では、ヘッジファンド規制もお考えだったという話を耳にしましたが、現状はいかがですか?

A 前に、そうした話は耳にしましたね。でも、リーマン・ショック、ギリシャ・ショックなど、度重なる金融不安で、規制する前に問題が収束したといったところでしょうか。

B 今は、海外のヘッジファンドよりも、国内に目を向けています。かつての好況時のように、浮かれすぎないといいましょうか。先ほどから話に出ているリテールでは無届け投資助言業者、金融業界としてはBOに見られる射幸心を煽る金融商品への対応などです。

–年内にも、日経平均は1万4500円をつけるのではといわれています。当面、金融業界、並びに個人投資家の動きについて、どう見られていますか?

A BOという商品は、これまで証券市場に投資マネーが流れてこなかったからこそ、登場した金融商品ではないでしょうか。証券市場に投資マネーが流れてきている今、規制もかかるBOを積極的に取引する個人投資家は少なくなってくると考えられます。そうしたなか、我々は、この活況期に乗じて金融を騙る悪徳な輩をはびこらせないことに注力したいと考えています。

B 先の活況期の経験を踏まえ、民の側でモラルを持った金融を行ってくだされば、我々はそれをサポートする役割にすぎません。しかしモラルのない金融であれば、これは厳しく監視・監督・検査せざるを得ない。それだけのことです。
(文=秋山謙一郎/ジャーナリスト)

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