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金融庁職員に聞く「アベノミクス活況で跋扈する悪徳金融業者の監視を強化」

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金融庁職員に聞く「アベノミクス活況で跋扈する悪徳金融業者の監視を強化」の画像1東京証券取引所
(「Wikipedia」より)
 アベノミクス効果に活気づいてきた金融市場。だが、浮かれてばかりはいられない。好況期になればなったで、行政当局である金融庁は「健全な金融」を守るべく、金融の第一線でさまざまな取り組みを行うことになる。そうした中、同庁は現在の金融を取り巻く環境をどのように見て、何に関心を持っているのだろうか? 今回、同庁現役職員であるA氏(30代)とB氏(40代)に話を聞いた。

アベノミクス効果で金融市場が活気づいてきた今、金融庁の関心事はなんでしょうか?

A 活況期ともなれば、これに乗じようとする悪徳業者が出てきます。こうした連中が跋扈すると、金融市場が不健全なものとなる。そのため、彼らが枕を高くして眠れないよう、行政として監視の目を光らせ、法の網をかけやすいよう、金融を阻害する動きについては気をつけています。

B 私は、金融業界の動き全体が気になっています。例えばバイナリーオプション(BO)などの金融商品の動きに興味を持っています。

–かつての好況期は、IT化の著しい進捗もあり、ネットを介しての証券取引が活気づきました。以降、個人投資家は、より資金効率の良いFX(外国為替証拠金取引)へと、その流れが変わった感がありますが。

A  FXはレバレッジ規制もあり、個人投資家は、もう無茶な投機的な売買を行わなくなったと見ています。むしろ、今の時期は、FXでうまく利益を出せなかった個人をターゲットにした、証券取引をメインフィールドとする無届けコンサル、すなわち無届の投資助言業者、これに気をつけています。

–そうした業者は、セミナー屋といいましょうか。自分のトラックレコード(売買記録)を表看板にして、個人投資家を集め、セミナーを開催して利益を上げるという手口が多いですね。

A そうです。現状では、電子メールで個別に証券取引売買について投資助言する行為は、無届けならば、当然金融商品取引法(金商法)違反となります。だが、大勢の人の目に触れる電子メールや書籍、セミナーなどという手法で、「この株は買い」「あの株は売り」と推奨する行為は、金商法には抵触しません。

–例えば、ある人物が、セミナー講師や著述家として、「自分はこれだけ儲かりました」的なことを述べているとしましょう。これがすべてウソだったとします。でも、大勢の人がそれを信じて、その人物のセミナーに参加したり、著作を買い求め、その人物が推奨する株式を売買することは、世の中では多々あるような気がします。

A そうしたウソ、別の言い方をすれば妄想というか。虚偽の事実をもってして、これを広告とし、金融を騙ること自体がまかり通る現状は、なんとか是正しなければなりません。

●逮捕権はない金融庁

–これは、金融庁では取り締まることはできないのですか?

B 実際には、金融取引を騙るセミナー商法については、国民生活センターさん(消費者庁管轄の独立行政法人)が担当されていますね。

A そもそも金融庁は、金融について監視、検査、監督はできても、検察や警察のように悪徳業者を捕まえて罰するところではありません。逮捕権を持っているわけでもありませんし。取り締まるということはできないんです。

–かつての証券取引法から金商法に変わり、刻々と変化する金融サービスにも、法の網を掛けやすくなりました。しかし、これによって金融という産業経済の動脈を、より硬化させてしまう懸念もまたあります。平たく言えば、まっとうな金融業者が萎縮して、悪徳業者が法の網をいかにかいくぐるのかというイタチごっこのようにも見えますが、その点は、いかがお考えですか?

B 近頃の例だと、FXから派生した金融商品、BOの例がありますね。これまでのオプション取引を、金融業者側がうまくネーミングを変えて売り出したものではあるのですが、射幸心を煽る丁半博打のような商品になってしまった。そこが問題なんですね。

BusinessJournal編集部

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