元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きなことわざは「書斎から裏帳簿」です。
持続化給付金の申請期間が、2021年1月15日で終了します。その金額は、最大100万円(法人なら200万円)。新型コロナウイルスの影響で売り上げの下がった個人事業者の方は、必ず申請しましょう。
2020年の何月分でもいいので、去年の同じ月と比べて、売上が半分以下に下がっていたら、国からお金がもらえる制度です。申請方法は、「持続化給付金」で検索して、専用サイトから行います。まずは仮登録をしましょう。手続き方法は、
・基本情報
・売上額
・口座情報
を入力し、書類をアップロードして終了です。
必要書類は、青色申告と白色申告で異なります。自分が青色申告なのか白色申告なのかわからない人は十中八九、白色申告です。青色申告の人は自覚があります。
「青色申告の人」
・確定申告書
・青色申告決算書
・通帳
・本人確認書類
・今年の売上がわかるもの
「白色申告の人」
・確定申告書
・通帳
・本人確認書類
・今年の売上がわかるもの
これらは、スキャンしたものやスマホで撮った写真で構いません。
誰でも100万円もらえるわけではない
青色申告と白色申告で給付金の計算方法が異なります。前年の売上が少ない場合は、100万円全額はもらえません。ぼくの知り合いの芸人さんのなかには、5万円だった人も70万円だった人もいます。
「白色申告の人の計算」
(1)去年の売上を12で割る
例 360万円÷12=30万円
(2)上記(1)の金額の半分以下の売上になった月を、今年のなかから選ぶ
例 今年4月は売上が10万円だ!
※半分以下になった月がないともらえません
(3)選んだ月の売上×12
例 10万円×12=120万円
(4)去年の売上から(3)を引いた金額がもらえる
例360万円-120万円=240万円
※ 計算は240万円になりましたが、もらえるのは100万円までです。
「青色申告の人の計算」
(1)去年の青色申告決算書の月別の売上を見る(確定申告書と一緒に保管しているはずです)
(2)上記(1)と比べて半分以下の売上になった月を今年の中から選ぶ
例 今年4月は売上が10万円。去年の4月は25万円!
※どの月を選ぶかは任意ですが、今年の4月を選んだら、比較するのは去年の4月です。
(3)選んだ月の売上×12
例 10万円×12=120万円
(4)去年1年間の売上から(3)を引いた金額がもらえる
例 360万円-120万円=240万円
※計算は240万円になりましたが、もらえるのは100万円までです。
※去年1年間の売上は、青色申告決算書にも書いてありますが、確定申告書第1表にも書いてあります。
なお、青色申告決算書を「任意で提出しない」「提出できない」「月別売上が書いてない」という場合は、白色申告の人と同じ計算方法になります。
確定申告書の収受印や確定申告書の控えがない場合
持続化給付金の申請には、収受印の押された、またはe-Taxでの受付日時がわかる「確定申告書」が必要です。これらがない人は、「納税証明書その2」を税務署でもらう必要があります。
e-Taxで申告をした人は、収受印がないので確定申告書の「受信通知」や印刷した確定申告書に受付日時が記載されていなければいけません。
税理士や公務員、会社員が学生などを扇動して不正な申請を行っていたことが次々と明らかになっています。これにより、不正受給をした人間の一部が給付金を返還しました。
一方で、受給要件を満たしていないことはわかっているけれど、虚偽の申請はせずに受給したいと考えて、粘り強く申請する人もいます。
たとえば、要件を個別に緩和してもらおうと考えて、税理士にお金を払って一筆書いてもらう、体調が悪い旨の手紙を書くなどの奇策を行うそうです。制度の事務局の方に聞きましたが、そのような方法での給付は一切認められません。要件を満たしていないことがわかった場合は、あきらめましょう。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)