アフィリエイトで月収80万円
実際にあった調査事例を紹介します。
レストランで食事をし、店内の様子や味、メニュー、接客のレベルをブログに掲載する30代の女性ブロガーの例です。彼女のブログには1日に約1万人のアクセスがあり、アフィリエイト(ブログやホームページに企業の広告を載せて収入を得る方法)で月80万円の収入がありました。ブログのランキングから情報技術専門官の目にとまり、確定申告の状況を確認すると、過去5年ずっと無申告でした。
顧問税理士はいないので、直接、電話で調査の連絡をし、1週間後に臨場。ブログによる収入があるのではないかと質問したところ「あたし主婦ですよ、そんな収入あるわけないじゃないですか」とシラを切り続けたため、事前に用意していたブログの運営サイトからの支払履歴、預金口座のコピーを見せました。さすがに観念したようで、申告義務があるとは知らなかったと言い訳をして、確定申告に応じました。夫の扶養になっていたので、夫の配偶者控除も遡って否認し、夫婦揃って納税することとなりました。
所得税法では、年間20万円以上の所得があれば、確定申告が必要とされています。この主婦はほかに収入がありませんでしたが、会社員の方で、会社からの給与以外に20万円以上の所得があれば確定申告が必要です。所得とは、収入から経費を引いたものなので、インターネット取引で得た収入から、インターネット取引で使ったお金(パソコンの購入費用や材料費、レストランでの食事代)を差し引いた金額が所得となります。
確定申告は、平日に税務著に行けない場合でも、自宅のパソコンで確定申告書を作成し、郵送で提出ができます。パソコンがなくても、スマートフォンでも作成できます。「税務署に行く時間がなかった」と言い訳しても、見逃してもらえない環境が構築されていますので、期限を守って申告するようにしましょう。
(文=さんきゅう倉田/元国税職員、お笑い芸人)