年金、平均受給額14万円台…老後破綻回避策は25~50歳から始めるべき
後半は?
50歳から74歳ごろまでは「老後資金の貯め期間」。それぞれ事情は異なりますが、子どもが独立したり、住宅ローンを払い終える頃でしょうか。
50代からは、自分の退職後のことを具体的に考え始めましょう。自分にはどの程度の生活費が必要か、貯金はいくらできそうか、年金はいくら受け取れるか、など。将来受け取れる年金額は、「ねんきん定期便」などで確認できます。現状、65歳を目処に退職することが多いですが、この先、75歳程度まで働く人が増えるのでは、と考えられます。
75歳以降は「自由な期間」。75歳からは、年金や貯金を使いながら過ごす期間になるでしょう。もちろん、働ける人や働きたい人は、大いに働きましょう。年金以外の収入源があれば、家計は安定します。退職したあとも、収入が支出を上回る状態がベストです。ちなみに、2016年度の会社員だった人の年金受給額の平均は、月額14万7927円でした。会社員と専業主婦の世帯では、2人合わせて月額約22万円。いかがでしょうか。賃貸に住んでいる人は、年金だけでは足りないかもしれませんね。
働く期間は伸びる
すでに皆さんはお気づきだと思いますが、人生100年とするならば、その対策として1番有効なのは「寿命が延びた分、長く働く」ことです。
国も、高齢者に働いてほしい、そして税金や保険料を納めてほしい、と考えています。先日、与党内で「高齢者」の定義や、名称の見直しが提言されていました。現在は65歳以上の人を高齢者と定義していますが、70歳、75歳と引き上げられるかもしれませんね。最終的に、日本に「高齢者」はいなくなるかもしれません。冗談はともかく、高齢者が働きやすい、働くと有利になるような制度がつくられることは間違いないでしょう。
とはいっても、「そもそも高齢者に仕事はあるのか」という問題があります。人によっては、ないかもしれませんし、そもそも健康でないと働けません。そこで、今から運用で資産を増やしたり、年金を増やしたり、いくつかの対策をとっておくと安心です。当連載では、そうした対策をご紹介していきます。
(文=井戸美枝/ファイナンシャルプランナー)