外貨預金がNGな理由2:円高に動くと損失が続く
外貨預金の弱点は、円高です。外貨預金の場合、FXと異なり日本円を米ドルやユーロなどの外貨に替えて預金することしかできません。外貨預金を始めた当初よりも円安に動けば利益を得られますが、円高が続いた場合は損失の状態が続きます。つまり、円高に動いた場合は、外貨預金では利益を狙うことが難しいのです。
単純な話ですが、「1ドル=100円」の時に100万円をドル換算すると、1万ドルです。それが「1ドル=120円」と円安になれば円換算で120万円になり、「1ドル=80円」と円高になれば80万円です。
この点、FXであれば、証拠金を預ければ、実際にその通貨を保有していなくても、米ドルやユーロなどの外貨を売る取引もできるため、円安だけでなく円高になっても利益を狙うことができます。
外貨預金がNGな理由3:銀行破綻時に元本の保証がない
「預金」と記載があるので、いかにも安全そうに見えますが、外貨預金は円預金と異なり「預金者保護制度」の対象外です。円預金の場合、預金者保護制度によって1人当たり、1金融機関につき元本1000万円とその利息が保護されますが、外貨預金は保護されません。
外貨に投資はしたいけれど、どうしても安全資産がいいと考えるのであれば、米国債に投資をするのはいかがでしょうか。債券とは、お金を借りたときに発行する「借用証書」のようなものです。預貯金にお金を回すと利息がもらえるのと同じで、債券を購入することでも利息がもらえます。債券を購入した金額を「元本」と呼びますが、定期預金と同様、満期が来れば元本が返済されます。
日本国債は日本国が発行している債券であり、米国債は米国が発行している債券です。安全性を見るのに、「信用格付」があります。これは、債務の支払い能力を評価したもので、お金をきちんと返せる能力があるのかをアルファベットの記号で表します。AAA(Aaa)が最上位格付で信用力が高く、BBB(Baa)格以上は投資適格、BBB(Baa)格未満は非投資適格とされます。
ムーディーズやS&Pなどの格付機関が独自に、企業の業績や経営に関するデータを調査して債券の信用度を評価していますが、日本国債はムーディーズがA1、S&PがA+、一方の米国債はムーディーズがAaa、S&PがAA+となっており、米国債のほうが高い格付になっています。また国債と預金を比べた場合も、国と銀行、どちらが先に破綻するかは言わずもがなでしょう。
たとえば、SBI証券が取り扱っている米国債の内「トレジャリーストリップス米ドル建 2045/2/15満期 ゼロクーポン債」は、税引き前年利回りで3.204%あります。気になる手数料は片道0.5銭です。1万ドル購入しても片道50円という安さです。(2018年11月19日時点)
安全性と手数料を重視するならば、米国債もひとつの選択肢です。