三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3つのメガバンクが「大幅な人員削減を計画している」というニュースがありました。日本銀行のマイナス金利政策などにより銀行が利益を出すことが難しくなり、「今後、銀行口座を持っている人から維持手数料を徴収する可能性がある」という報道もあり、気になった人もいることでしょう。
これまで、銀行でかかる手数料といえば、ATM時間外手数料と振り込み手数料の2つでした。ところが、今後は“単に口座を持っているだけ”で維持手数料がかかる可能性があるのです。
「え? 銀行にお金を預けてあげているのに手数料を取られるなんて」と憤る人もいると思います。ここで、利用者と銀行の関係について考えてみましょう。利用者は、「預けたお金を運用してもらって、そのお返しで(現在は超低金利でごくわずかですが)利子をつけてくださいね」「お金は安全に管理してくださいね」という思いで銀行にお金を預けていたと思います。
ところが、超低金利時代によって前者の「預けたお金を銀行が運用する」という効果が小さくなってしまったわけです。すると、利用者が受け取れる利子は当然少なくなりますし、後者の「お金を安全に管理する」ためのコストが大きな負担になります。それなら「利用者から維持手数料をもらおう」というのは、ある程度理解できる流れでしょう。
タンス預金にもリスクがある?
とはいえ、銀行口座を持っているだけで手数料がかかるというのは、利用者としてはできるだけ避けたいものです。
なかには「お金は銀行に預けず、タンス預金にする!」という人もいることでしょう。家に置いておく分には手数料はかかりませんが、家に大金を置いておくことには、当然ですが大きなリスクがあります。盗難や火災などによる紛失の可能性がありますし、間違って何かと一緒にゴミに出してしまっては大変です。
また、何より今はキャッシュレス化が進んでいる時代。クレジットカードや銀行口座引き落としを利用する場合は、タンス預金ではどうにもなりません。やはり、何かしら銀行口座は必要ということになります。
「銀行口座維持手数料」に備える2つの防衛策
銀行を利用しつつ、今後維持手数料がかかるのを避けるための防衛策として、大きく2つが考えられます。
ひとつ目は、今すぐインターネット銀行に口座を開いておくこと。現在、銀行口座の維持手数料について言及しているのはメガバンクです。店舗がたくさんあるメガバンクは人員削減や店舗数減少などでコストを下げ、なんとか利益を増やそうとしているところです。
一方でネット銀行は、そもそも店舗がなく人員も少ないため、メガバンクに比べるとコストがかかりません。維持手数料を設定するとしたら、メガバンクよりもネット銀行のほうが後になるでしょう。
それなら、いざというときにネット銀行を自分のメインバンクにできるように準備しておくのも手。現在「メガバンクの口座しか持っていない」という人は、ネット銀行の口座を開設して使い方などに慣れておきたいところです。
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