新築ワンルーム投資などやってはいけない?約30年間キャッシュアウトで収支マイナスに
投資用に新築ワンルームを買った人は“ご愁傷様”だ。
買った時点で、ほぼ損が確定しているからだ。しかし、これを購入できる人は年収が高い人でもある。テレビ局、広告代理店、国家公務員が引っかかりやすい3大職業だ。不動産の収益性が低いがゆえに、個人年収が高くないとローンを組めないからだ。なんとも皮肉な話だ。
このローンを貸している金融機関側の論理は「新築ワンルームが儲からないことは百も承知しているが、この人は年収が高いからこそなんとか返済してくれる」という算段になっている。こんな目論見なので、メガバンクはこうした融資はしない。結果として住宅ローンよりかなり金利が高くなるが、この時点で「何かおかしい」と思ったほうがいい。そんな大損状態でも大逆転をする方法はある。今回は、その解決策を提示しておこう。
新築ワンルームが儲からないカラクリ
新築ワンルーム投資が損をすることは簡単に証明できる。
まず、表面利回りが3.5%程度しかないはずだ。これに対して、金利は1.8%程度かかる。投資用マンションの値下がり率は毎年2.5%以上になる。つまり、利回り-金利-値下がり率=3.5-1.8-2.5=▲0.8%が毎年マイナスになる。キャッシュフローベースでは値下がり率(2.5%)がなくなる代わりに、元本返済と固定資産税などの合計約3%が加わり、毎年1.3%程度キャッシュがマイナスになる。3000万円の物件なら40万円のキャッシュアウトだ。これに取得・売却にかかわる諸費用が物件価格の5%以上かかり、収益性が落ちていくタイミングで追い打ちのように大規模修繕などの費用がかかる。
ちなみに、ワンルームの管理費単価は通常のファミリータイプの2倍以上のボッタクリ状態が多い。これに気づいても、1棟の管理費を下げるのは多くの所有者の合意が必要になるので実質的には無理に近い。無関心のオーナーの相場すら知らない無知につけ込むかたちなのだ。こうして結果として数百万円のマイナスで済めばいいが、1000万円を超える人も多い。無知は非常に高くつくものだ。
ここまで書いても、「年金代わりになる」とか「節税できている」とか、自分をなぐさめている人は多い。不動産を買う際は必ず事業収支を将来にわたって作成しなければ、何がリスクかもわからない。これを作成すると、最初の1~2年目だけが節税効果でキャッシュフローがプラスになったとしても、その後はローン返済までの約30年間キャッシュアウトが続くことがわかる。30年後にローンが終わったとしても家賃はすでにかなり下がり、空室率は上がり、税金も取られるので、大した手取りにはならずに修繕費ばかりがかさむ。もちろん、この不動産投資のトータルの事業収支は大幅にマイナスになることはほぼ間違いない。
“隠れ負債”がマイホーム購入に影響も
こんな新築ワンルームを結婚前に購入してしまったら、いろいろなリスクを抱えることになる。ひとつは、マイホームを持てなくなるリスクだ。儲からない不動産を買ったら個人借り入れの信用は落ちるに決まっている。悪くすると、ブラックリストに載ったも同然だ。こうしてマイホームを買う段に隠れ負債が発覚し、満足な住宅ローンが引けなくなることがある。この隠れ債務が発覚したことで、婚約・結婚が破談になることもある。
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