世界でも稀な日本の医療保険、支払う保険料「100万円」はまったく割に合わない
今回のテーマを見て、「医療保険が100万円?」と疑問に思った人はいませんか。テレビCMや新聞、雑誌の広告などで、みなさんにもすっかりお馴染みとなった医療保険は、安いものでも月1,500円程度の保険料になります。これは、年間で1万8,000円の出費です。30歳女性が平均余命の88歳まで支払うと、104万円になります。月3,000円の保険料を、40歳男性が同じく82歳まで支払うと150万円以上にもなるのです。これは、決して安い商品ではなくて、高額商品と言っていいのではないでしょうか。
生命保険の保険料は、住宅ローンの返済額と同じように、月々の負担額を見るだけでなく、その総額を把握することが大切です。たかだか月に2,000、3,000円と思っていると、結果的に大きな金額を支払ってしまうことになるのです。
したがって、医療保険は、月1,500円の商品として考えるのではなく、100万円以上の高額商品として、それを買うことの要否を真剣に考えてみなければいけません。
医療保険の現状とその歴史
医療保険の契約件数は、なんと日本全体で約3,700万件にもなり、老若男女、日本国民すべての3人に1人が契約している計算になります。これは、終身保険など他の保険種類を含めたなかで最多の件数です。
なぜ、医療保険はここまで日本人に浸透したのでしょうか。
そもそも医療保険という商品は、昔からあり、終身保険や定期付き終身保険という死亡保険の保障内容を補う「特約」というかたちでつけられていました。それが、医療保険単体として売られるようになったのは40年ほど前からで、特に21世紀に入って、米国の保険会社アメリカンファミリー生命(アフラック)が一生涯保障の終身タイプを大々的に売り出したことで、今や終身タイプが主流になり、各社がこぞって医療保険を販売しています。ちなみに、がん保険でもお馴染みのアフラックは、日本法人ではなく、米国の保険会社の日本支社にしかすぎません。なぜそんなことをわざわざ言うかといいますと、アフラックがここまで市場で知名度を上げたのは、日本における医療保険やがん保険の販売に、米国の圧力が少なからずあったからです。
医療保険は何を保障してくれるのか
さて、医療保険の一般的な保障内容としては、病気やけがで入院したら、日額5,000円とか1万円の定額の給付金が、入院期間に合わせて支払われる仕組みで、その他、手術をした際には入院日額をもとにした手術給付金が支払われるようになっています。
最近では、入院の実費を支払う医療保険も登場してはいますが、入院日数や手術の形態をもとに定額の給付金が支払われるものが主流です。例えば病気で10日間入院し、手術をした場合は、日額5,000円☓10日+手術給付金5万円=10万円が支払われるというような商品です。