反対に曲線が基本保険金よりも上にある=運用実績がよいときには、基本保険金よりも多い死亡保険金を受け取ることができる。
ただし、変額保険を途中で解約すると、現在のように運用がうまくいっていないときには、少ない解約返戻金しか受け取ることができない点に注意をしてほしい。リスクをゼロにするためには、まさに変額保険を”保険”として活用するわけだ。
賢いインフレ対応にもなる
2月に日本銀行が、1%をインフレのめどにすると発表した。インフレ時には、貨幣価値が下落し、貯蓄だけでは資産が目減りすることになってしまう。一般的にインフレに強いとされているのは、不動産や株式。さらに、外貨預金、外貨MMF、金などがある。
変額保険を運用する際、こういったものに投資をしている投資信託を選ぶと、インフレに対応できる可能性が高い。
変額保険の場合、予定利率を3%以上と高めに設定している保険会社もある。予定例率を高めに設定しているということは、保険料を多く割り引いているという意味。金額が一定である終身保険に加入するより、変額保険の終身型へ加入したほうが、同じ保険金額を設定した場合であっても、保険料が安くすむことも魅力的だ。
途中解約には注意
注意が必要なのは、解約返戻金は保証されていないということ。途中で解約を行うと、そのときの運用実績によっては、払い込んだ保険料を下回ることもありえる。もちろん、資産を運用の一部として捉え、運用がうまくいっているときに解約をするという考え方は問題ないだろう。しかし、運用がうまくいっていないときの解約返戻金は少なくなってしまう。保険といえども、余裕資金で行うことを忘れてはならない。
さらに、変額保険には個人年金タイプと養老保険タイプが存在する。この2つのタイプには、加入しないほうがよいだろう。というのも、年金や満期保険金を受け取る時期が決まっているからだ。満期を迎えたときに運用がうまくいっていなければ、低い金額しか受け取ることができない。
リスクを回避しながら変額保険に加入する場合は、終身保険タイプを選ぶことが必須となる。
(文=横川由理/フィナンシャルプランナー)
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