しかし、お金の悩みは、なかなか人に相談しづらい。友人からお金を借りようと思えば、その関係が壊れることにもなりかねない。場合によっては、周りから友人が減っていくような事態にまで陥るかもしれない。かといって金融業者から借金をするのは、ハードルが高い。
それでは、お金で悩んだら誰に相談するのが得策だろうか? 7月に『すべての「お金」の悩みにはすでに誰かが答えを出している』(マイナビ新書)を上梓したファイナンシャルプランナー・小山信康氏に話を聞いた。
●お金の悩みは歴史から学べ
–お金で悩んだら、誰に相談するべきでしょうか?
小山信康氏(以下、小山) 「ファイナンシャルプランナーに相談してください」と言いたいところですが、相談料もかかりますし、二の足を踏んでしまうのではないでしょうか。親に相談することができれば問題は少ないでしょうが、さまざまな事情で親に相談できない場合もあるでしょう。結局、自分で解決するのが一番安くてお手軽なのですが、一人で考えて解決することはなかなかできません。
しかし、お金の問題は今に始まったことではなく、昔から多くの人が頭を悩ませてきたのです。つまり、歴史の数だけお金の悩みがあり、同じだけ解決法があるのです。
例えば、ノーベル賞経済学者のミルトン・フリードマンやポール・クルーグマン、日本資本主義の父・渋沢栄一や幕臣の勝海舟といった偉人たちが、お金に関する問題に対してすでに出した答えをカンニングすればいいのです。つまり、その解決策を見つけてマネするのです。
●お金の悩み、具体的解決方法とは?
–具体的には、どのような解決方法があるのでしょうか?
小山 なかなか貯金できずに困っているという話をよく耳にします。ある程度収入があっても手元にお金が残らない人や、収入が少なく生活が苦しい人もいるでしょう。そんな“非貯金ループ”から抜け出した人も過去にはいるのです。それは本多静六博士という人です。
–林学博士の本多静六氏ですか?
小山 そうです。本多氏は東京帝国大学農科大学(現東京大学農学部)の教授で日本初の林学博士です。帝大の教授ですから、それなりの収入があったのですが、それを目当てに本多氏の家には親戚が転がり込み、結局貧乏生活が続きました。
しかし、ある日一念発起して、強制的に収入の4分の1を貯金することにしたのです。ただでさえ貧しいのに、使えるお金が4分の3に減り、とても苦しい生活になったそうです。それでも貯金を続け、その貯金を元手に投資を行い、莫大な資産を築き上げることに成功したのです。その資産の一部は埼玉県に寄付され、今でも本多静六博士奨学金という奨学制度が維持されています。
『すべての「お金」の悩みにはすでに誰かが答えを出している』 ノーベル賞経済学者、伝説の経営者、国税調査官など、お金の悩みを解決してきた先人の教えを解説しました。さあ、あなたも先人たちと同じようにお金の悩みを解決して、幸せな人生を手に入れましょう。