–勉強部屋があったほうが子供は勉強に集中できそうですが、与えないことでどういった効果があるのでしょうか?
佐藤 勉強部屋が2階にあったとして、家族が1階で楽しくしているのに1人だけ2階に上がって勉強する、というのは無理だと考えたのです。今は、小学1年生になったらすぐに勉強部屋を与える親も多いですが、佐藤式勉強法では勉強部屋を与えません! これは大事です。「勉強は孤独じゃないとできない」という人もいますが、本当に孤独な環境では勉強などできないと考えています。
未熟な子どもを律するのは、親の役目
–子供を難関校に合格させる上では、教育費の使い方なども大きなポイントになってくると思います。「この費用だけは、惜しまずに使ってほしい」というものはありますか?
佐藤 とにかく、本はたくさん買ってあげてください。小さい時にしか読まない絵本などは、図書館で借りればいいと思うかもしれませんが、手元にあるのとないのとでは愛着が違います。また、受験をするなら参考書代は年間2万円分ぐらいは出してあげてください。効率を重視するなら、やはり参考書は必須です。それも、毎年の最新版を買うことです。参考書は年々進化して、わかりやすくなっています。それらの費用は、浪人することを考えたら安いものなので、出すべき時にしっかり出してあげてほしいと思います。
–本書の中で「テレビやおやつは非日常」と書かれていました。しかし、今は子供が小さい頃からスマートフォンやゲームを与えてしまう親も少なくなく、子供にとってはそれが日常的になっているケースも多いです。
佐藤 大学に入るまでの時間は18年間しかないわけですから、その貴重な時間をスマホやゲームに充ててしまうのは非常にもったいないと思います。実は3人の子供を大学に入れた後、少し暇になったので、周りが夢中になっていたスマホゲーム『キャンディークラッシュ』(キング・デジタル・エンターテインメント)をやってみたのですが、なんと10カ月くらいやり続けるほど、ハマってしまいました(笑)。今までほとんどゲームをやったことがない私でさえハマるのですから、子供たちは、ますますのめり込んでしまうでしょう。そのため、受験を控えた子供に対しては、親がそのあたりを律してあげないといけません。心を鬼にして遊び道具を取り上げることも、また愛情です。