人は多かれ少なかれ「苦手なもの」を持っている。
人と話すのが苦手、起きるのが苦手、計算が苦手……。こうした苦手なことをいかに克服していくかが成長つながるわけだが、それがなかなか難しい。苦手なことをやることもつらいのに、どうやって克服すればいいのか。
それは、ほんの少し視点や思考を変えることが大切だ。
『にがてが消える心理学』(三才ブックス刊)は、ビジネス心理研究家の神岡真司氏が、さまざまな「苦手」に焦点を当て、心理学に基づく解決策を紹介する一冊。
第一印象を良くするために、まず自分の情報を開示しよう
コミュニケーションが苦手だという人は多い。実際、2017年にJTBコミュニケーションデザインが調査した「コミュニケーションへの苦手意識」(*1)によれば、「初めて話す人が苦手」という人は6割以上にものぼる。それだけ多くの人が苦手意識を持っているということだ。
しかし、初めての人と話す機会は必ずあるもの。では、どうすればいいのか。
初対面の人と話すときはまず警戒感のレベルを下げ、「自己開示」する必要がある。それは、「私の趣味は……」「好きな食べ物は……」というような、ごく単純なプライベート情報でいい。
まずは自分をオープンにしないと、相手に安心感を与えることはできない。安心感が得られれば会話が弾む。相手に良い第一印象を与えれば、その後も良い関係を築くことができるのだ。
また、相手の情報収拾がちゃんとできれば、共通の話題を見つけることができ、より気軽に会話をすることができる。そこでは、例えば「ご出身はどちらですか?」などの質問でいい。人は誰でも自分に関心を持ってもらえるとうれしいものなのだ。
貯金が苦手ならばまずは具体的な目標を立てる
頭では分かっていても、なぜか浪費してしまう。そのため貯金がたまらない。これは「バンドワゴン効果」や「スノッブ効果」といった心理学用語で説明できる現象だと著者は述べる。
たとえば、ショップに長蛇の列ができていると、なんとなくその商品が欲しくなってしまうというのが「バンドワゴン効果」だ。また、限定品や希少価値が高いものに惹かれてしまうのが「スノッブ効果」である。
これに対抗するには、「マイホームの頭金にするために100万円貯める!」というような具体的な目標を立てるが大事だ。いつまでに、何のために、いくら貯めるのか。そのために何を節約するのかをはっきり決めることが重要となる。ただし無理な目標を立てると挫折してしまう可能性が高いので、無理のない計画を立てよう。
◇
真面目な人ほど、自分の「苦手」に敏感になりがちだという。あまり気にせずに、と言われても気になってしまうもの。苦手になってしまうことには何か理由がある。心理学に基づいた解説からその何かを紐解くことで、苦手なものも克服できるはずだ。
(新刊JP編集部)
※1…コミュニケーションは苦手、58%と過半数 主体的な発信は苦手、受け身のコミュニケーションは得意(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000031978.html
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。