話せばうまく伝えることができるのに、メールでは誤解を招いたり、うまく伝えられない。
文章でのコミュニケーションが苦手という人は少なくないだろう。とはいえ、サラリーマンにとって、メールでのやりとりは避けて通れないものだ。それに、仕事に限らず、LINEやブログ、FacebookなどのSNSで、コメントのやりとりすることも多い。これがトラブルになることもある。
文章で相手にうまく伝えるには、どのような点に気をつければいいのだろうか。
本書『だから、読み手に伝わらない!』(山口拓朗/著、実務教育出版/刊)では、相手に誤解されない文章の書き方について、具体例を豊富に織り交ぜながら紹介していく。
■メールは件名で読まれるかどうかが決まる
では、メールを書くときに、具体的に気をつけるべきことは何なのか。
例えば、読む・読まないは件名で決まるということ。メール受信者が最初に確認するのが件名だ。件名を確認した瞬間に、そのメールを読むかどうかを判断する。「お世話になっております」などのあいさつだけの件名、「清水です」のように名前だけの件名は、相手にとって不親切になる。
「○○工事(△月□日のお見積り)/株式会社●●・○○」というように、具体的に書いておけば、受信者に一発で「あの見積もりね」と認知してもらえるはずだ。件名は具体性がないと「読まれない」「返信が得られない」「不信を買う」などの事態を招き、結局は送り手自信が困ることになる。
■断りのメールははっきりとしたほうが誤解を招かない
もうひとつ、断りのメールを書くときは、意思表示を明確にする必要があり、中途半端な意思表示では相手に誤解を招きかねない。「なるべく」「できる限り」「おそらく」「思います」「かもしれません」などの表現は、いずれも「100%不参加」の意味ではなく、参加に含みを持たせている。相手にしてみれば、これほど迷惑な回答はなく、何かしらの判断を求められたら、意思を明確にするのがマナーだ。
メールを書くときの常識や書き方のコツ、テクニックはもちろん知っておくべきことだ。でも、まず理解しておかなければいけないのは、文章コミュニケーションで失敗が起きやすい最大の原因は「相手の不在」ということだと著者は指摘する。
メールは、目の前に相手がいないので、表情や声色など、真意や感情を察するには、あまりにも情報が限られている。だから、つい自分にとって都合のいい伝え方をしたり、受け取り方をしたりしてしまうのだ。
そうならないためにも、文章を書くときは、常に相手のことを考える必要がある。目の前に読み手が立っているイメージを大切にし、「読み手不在」の文章を書かないようにしなければいけない。
仕事でもプライベートでも、文章を書く機会は多い。送信する前に、一度、読み返してみて、自分よがりの文章になってはいないだろうか。まずは読み手の立場に立つことを忘れないこと。その上で、文章のテクニックを活用できれば、おのずと、文章は読み手に正確に伝わるようになるはずだ。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。