こういう人は、他者に助けを求めたりはしない。わからないことを聞いたりもしないし、もちろん教えを乞うたりもしない。困難に直面すればするほど、自らの中に解を求める。自分でわからないことは、他の人に聞いてもわかるはずはないと思っているからだ。こうした点については、知能レベルでは劣っていても、高い成果を挙げ続ける人はまったく異なる。自分が苦手な点については、どんどん教えを乞うし、助けを求める。そうして成果へと結び付けていくのだ。
知能以外の要素を重要視しない
2つ目の理由として、知能の高さが最も重要であって、他の要素は重要ではないと考えがちという点が挙げられる。たとえば、対人関係などだ。顧客との関係のみならず、職場の仲間との関係すら重要視しない。そうしたことに労力を割こうとはしないし、ましてや、そうしたスキルを向上させようとは思ってはいない。なかには、良好な対人関係をベースに成果を挙げていくようなやり方に嫌悪感を抱くような人もいる。正しいことは理解されるはずだし、関係性などどうであれ、それは理解され同意されると思っているのだ。
できないことはしたがらない
3つ目として、知能の高い人はプライドが高く、自分が優秀であることを示したいため、できないことはしたがらないという点が挙げられる。自分がうまくできるとわかっていることだけをやりたがる。やったことのないことをして失敗することは避けるのだ。こうしたことを繰り返していくと、失敗することのない得意な面のみが伸びていくということになる。
そしてやがて偏りが大きくなる。ミドルになっても安定感を欠くようなタイプの多くはこのタイプだ。失敗しそうなことへのチャレンジは避けるようになるので、その面の能力はいっこうに養われないままキャリアを歩んでいくことになる。
「証明型」の人、「習得型」の人
社会心理学者のハイディ・グラント・ハルバーソンは、このようなタイプを「証明型」の人としている。失敗から学べる成長意欲の高い「習得型」の人との対比で説明している。「能力を示すために高い成果を挙げること」を重視する「証明型」の人と、「成長や進歩、技能の習得」を重視する「習得型」の人がいるという。