掃除をする、洗濯をする、といった家事の過程には、こまごまとした雑用が存在する。
ロボット掃除機をかけるにしても、その前に床にちらばったものを片付けなければいけないわけだが、その片付けはなかなか「家事」として評価してもらえない。ならば、今まで家事以前にやることとされていた「名もなき家事」に名前をつけることで「見える化」してはどうか。
たとえば「ロボット掃除機をかける前に床の荷物を片付ける家事」には「道づくり」と名付けてみる。「家事をがんばる人に対する最大限の敬意の示し方」が、名もなき家事に名前をつけることなのではないか。
そう考えたのが『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(サンマーク出版刊)の著者であるコピーライターの梅田悟司氏だ。
■評価されない「名もなき家事」に名前をつけてみたらこうなった
では、梅田氏はどのような名もなき家事に命名しているのか。本書から3つ挙げていきたい。
・スポンジ一人旅
水筒を洗うとき、奥に入ってしまったスポンジを箸でつまんで取り出す家事のこと。
水筒にお茶などを入れて職場に持っていく人も多いだろう。そして、飲み口が狭い水筒を洗うときに、スポンジを底に落としてしまいがち。指で取れそうで取れないストレス。結局、箸でスポンジを引きずり出すことに。解決策は、スプレータイプの洗剤を使うこと。
・開閉地獄
ゴミ袋の口をきつく閉めたあとに新たなゴミが出て、再び開ける家事を指す。どうにかして隙間からゴミを入れられないかと試すのだが、結局は開けることになるのがオチ。自分自身できつく閉めて、新たなゴミを出したのも自分。後悔は増すばかりだ。ゴミ袋を閉めるのは、ゴミ出しする直前にすると「開閉地獄」を回避できる。
・うらはらな感謝
家族が家事を手伝ってくれたのに完璧ではなくて、指摘するか迷った末にやっぱり気になって指摘することで、相手のやる気をなくす家事のこと。家事分担をして、夫の洗濯物の畳み方やしまう場所に「そうじゃないんだよなあ」とモヤモヤして指摘してしまう。結局、もう一度自分でやり直すことも。ケンカの原因にもなりかねないので、先に感謝を伝えること。
ちょっとした雑用が面倒で、時間のロスにもなり、積もり積もるとストレスになる。
本書で紹介されているもの以外でも、名もなき家事に自分で名前をつけて、自分自身で家事を楽しめるようにしたり、家族で共有してみると、家事が大変という気持ちも和らぐはずだ。
また家事をやっている家族にも感謝の気持ちを忘れることもないだろう。家事をやっている自分をもっと褒めていいし、家族も褒めるべきなのだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。