「手抜き」と聞くと、一般的にはあまり良いイメージは浮かばないかもしれない。とはいえ、常に全力で完璧に仕事をするというのも難しいことだ。手を抜けるときは抜く。ゆるく働いて、評価される。
そんな働き方を紹介しているのが『すごい手抜き』(佐々木正悟/著、ワニブックス/刊)だ。本書では、うまく手を抜く30の仕事術を紹介している。
手抜きをするというのは、「状況によって手抜きをしてもいい」という発想を持たない人にとって、おそろしく不真面目なことではないだろうか。仕事で手を抜くなんてとんでもない、という考えの人が普通といえるのだ。しかし、あらゆる仕事を完璧にこなしているわけではないはずだし、そもそも完璧な仕事をしようと思ったら、仕事はどんどん遅れてしまう。
つまり、「仕事で手を抜くなんてとんでもない」という考え方は普通だが、「必要ならば手を抜くことも仕方がない」という発想も普通なのだ。人間は完璧な存在などではないということだ。
ただし、いつも手抜きばかりしていたのでは、周りからの信頼もなくなってしまう。ならば、バランスよく手を抜けばいいが、そのバランスをとることが難しい。では、どこで手を抜けばいいのか。
本書で紹介されているのは、「ここだけは手抜きしてはいけない」というポイントを探すことだ。それだけは侵してはいけないミスというのが、どんな仕事にもあるはず。そのミスによって失われる可能性があるものは何か、と考える。手を抜いた結果、どんな悲惨なことになるかを考えることによって、いざとなれば仕方がない手抜きと絶対にやってはならない手抜きとに、分けて考えることができるのだ。
その判断の基準の1つに、巻き込む人の数がある。巻き込まれる人数が多いほど、問題の重要性は高いということだ。このように仕事を判別していくことで、ムダや致命的なミスのない仕事が可能になる。
過度に完璧主義であることは不可能であるし、害が大きい。全力を尽くすにしても、優先順位があるということだ。
こだわりすぎて仕事が終わらなかったり、完璧に仕事をすることを貫こうとするばかりに、周りに迷惑をかけたり、失敗してしまったという経験はあるかもしれない。手抜きできるべきところを見極めて、手抜き思考で仕事をすれば、スムーズに仕事も進めることができるかもしれない。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。