明日がつらくなるとわかっているのについつい二次会に参加して終電を逃す、夜遅くに深酒やドカ食い、コンビニでいらないものを買ってしまう。イライラしたときの煙草や買い物、甘い物がやめられない……。
などなど、悪い習慣だとわかっていても、どうしてもやめられないこと、ありますよね。でも、だからといって自分を責める必要はありません。わたしたちの一日の行動のうち7割は、無意識の習慣に支配されているからです。
なんだか最近、うまくいかない…。ついつい、楽な方を選んでしまう。そんなときは意志の力でがんばって我慢しようとするのではなく、「習慣」自体を変える方がはるかに効率的です。
コーチングのプロとして活躍する三浦将さんの著書『自分を変える習慣力』(クロスメディアパブリッシング/刊)では、仕事の成果を上げ、人生を充実させる習慣だけでなく、それらの習慣の「身につけ方」や「変え方」も解説されています。
●習慣は、潜在意識に左右されている
では、悪い習慣をなくし、いい習慣に変えていくにはどうしたらいいのでしょうか?
鍵を握っているのは、「潜在意識」です。
たとえば「毎朝5時にベッドを飛び出し、ランニングしてから一時間前出社!」という目標があったとしても、「毎晩アルコールを飲みすぎ、夜更かしをする」自分がいたら、早起きができなくて当然ですよね。
習慣を変えるには、ここで「では、なぜ毎晩お酒を飲みすぎてしまうんだろう?」と考え直すことが重要なのです。
人によって理由はさまざまですが、上司との関係がうまくいかない、仕事の成果に満足できていない、自分が評価されていないと感じているなど、心の深い場所(=潜在意識)に不満や恐怖があるために、過剰な気晴らしを求め、悪い習慣が生まれていることが多くあります。
●まずは「スイッチとなる習慣」を身に付けることから始めよう
そういう場合、まずあなたの習慣をじわじわと良い方向へ変えるスイッチとなる習慣をつくることからはじめましょう。
これはほんの小さなきっかけで大丈夫。どんなに素晴らしい目標を掲げても、三日坊主になってはなんの意味もないからです。
本書に紹介されているMさんは、「朝5時に起きる」という小さなスイッチだけを守り続けた結果、毎朝の運動や読書、資格の勉強、家族との団らんに割く時間が増え、行き詰っていたように思えた生活が驚くほど改善したといいます。